一段ずつ登るか、一気にかけ登るか。個性とは?
さて、担任の先生から
「息子くんは学校がつらいんだと思います。」
と言われた事で、先生へ詳しく状況を聞きたい旨ご連絡しました。
言われた内容は、
「みんなより準備が遅い、ぼーっとしてる事がある、階段の登りおりに自信がなさそう。一度発達検査を受けてください。結果次第では
特別支援学校への転校になります。」
と言われました。
正直、「楽しくないってどういう事ですか?」という問いの電話でここまではっきりいろいろ言われるとは思わなかったので驚いたので、「入学してまだ半年も経ってないのに?そこまで分かるんですか?」と聞いたところ先生から「一度授業風景を見に来てください。」と言われました。
そこまで言うなら、日程を決めていざ当日。
朝から4時間フルで見学しました。
ひいき目でなくても、1年生の子どもたち、席に座ってられない子がたくさんいる中で我が子は席にも座ってるし、授業で発言もしてる。
ただ、やっぱり歩く時は少しつま先歩きでひょこひょこしてるのと、斜視の影響で斜めに黒板を見ていました。
なんとなく思ったのは、「PVL、脳性麻痺が産まれた時にありました。という入学時の申告が先生たちの中でも引っかかってるんじゃないかな。」
でした。
見学を経て、「正直、そこまで息子だけが問題あるようには思えなかったので、、よければどういう点が気になるのか箇条書きでもらえませんか?
そうすれば息子の主治医にもどういう指摘があるのか伝えられるので。」
と伝えたところ、
「校長に確認しないと出来ません。」
「今まで電話で色々言われているので、できれば、文章で残しておきたいんです。人の記憶だけだと言った言わない、になると思うし、私も改めて記憶を呼び起こしながら話さなければならない状態になっているので、」
と伝えても「校長に確認しないとできるか出来ないかは今伝えられません。」
という回答でした。
「発達検査に行ってください、転校の可能性高いです。」っていう割に、
こちらのリクエストは一才受け入れられず、正直どういうこと?という状態で、唯一言われたのは、今まで受けたテストとかをまとめて主治医に見せてあげてください。でした。
であれば、とりあえず発達検査を受けよう。と、2ヶ月の間に受けたテストを持って息子の主治医に連絡しました。
診察日当日、生まれた時から大変お世話になっていて絶対的な信頼を寄せてる息子の主治医の先生に、(PVLの診断を受けた先生です)今までの経緯を伝えたところ、
「このくらいの年齢の子って昨日まで一段一段登っていた階段をある日10段いきなり登っちゃう事があるんですよね。
それを見守るのが僕たち周りの大人の役目であり、教師の役目だと思うんですよね。できないことに目を向けるよりも昨日よりもこれができるようになった、とか一緒に喜んであげたいものですね。息子君の場合はコミュニケーション能力が発達を受けるまでもなくかなり高いので、この点でまず発達遅延というカテゴライズにはしにくいんです。
今回のこと、僕が思うに、息子くんは、斜視で目が合いにくいというのも原因の一つだと思うのです。
健常者から見ると斜視で目線が合わないと、<あれ?聞いてるかな?わかってるかな?>ってなりやすいんですよね。そう思う事が重なるとやはり気になってしまうかもしれないですね。一度検査をしてみましょうか。」
と発達検査の予約をささっと取ってくれました。
実は息子は3歳の時にも検査をうけており、今回で2回目の検査になります。
親と離れて3時間弱くらいの検査を受けた息子は、さすがに終わったあと、
「あーもうほんと疲れたーーーー!」
と不満そうでした。
そうだよね、、疲れたよね。。ごめんねー。と思いながら帰りは息子の大好きな焼肉を食べにいきご機嫌をとりました。
そして次の検診の時、結果を聞きに行きました。
息子君の場合、やはりコミュニケーション能力の高さを測る数値、記憶力の数値が平均よりもものすごく高い。そして逆に空間認識能力、知覚推理力が平均よりも低い。いわゆる凸凹の結果です。結果が綺麗な円ではないので、本人がどうしても周りの環境と合わなくてつらい、というのであれば先生方の薦める特別支援学校もありかもしれませんが、本人も楽しんでいるし、これだけポジティブな性格な息子君に対して、僕はその必要はないと思ってます。本来であれば、凸凹に合わせた指導方法を考えるのが教師の役目なのでは。と思いますが、なかなか現場で統率を取るのも先生方も難しいのかもしれないですね。もし先生が自分達にはできない。というのであればこちらから細かく指導方法を伝えてあげてはどうでしょうか。例えば学校では授業のフォローしきれないというのであれば、公文とか、学研とか行ってみてはどうでしょう。音楽の楽譜が読めてない、というならピアノとか習ってみてもいいかもしれないですね。
とにかく、僕が一番して欲しくないのは、<この子にはできないんじゃないかな?無理じゃないかな?>
という先入観で「やらせない。」という選択をすることなんです。やらせないという大人の判断で、本人の成功体験を削ぐことは、教育の現場で一番やってほしくない事なんですよね。その子にできるだけ成功体験をたくさんさせてあげること、「できたね!やったね!嬉しいね!」という経験を周りの大人がサポートしてたくさんたくさんさせてあげて欲しいんです。
先生の診察で平静と安心を取り戻したので、結果を元に担任の先生に連絡をしました。
「結果のコピーをください。こちらで検討したいです。」と担任の先生から電話で言われたので、この電話だけで、じゃあ差し上げます、と言うことは出来ないし、その必要があるのであれば電話だけで済ませたくないので、面談をしたいです。
と伝えたところ、次の日に校長先生から電話を頂きました。
「今回のこと、担任の先生が責任感から、どうやらかなり先走って色々とお話しているようです。大変申し訳ありませんでした。私の方でも状況は確認してはいたのですが、学校側から転校を促すなどは全く考えていないんです。ただ、息子さんが苦手とするところをきちんと担任と把握し、サポートしたいと思っていただけの話なのです。」
と釈明されました。
もうこの時点で生まれた不信感が今でも残っています。
散々担任の先生とやり取りして病院に行って、検査も受けてきて、特別支援学校のリサーチもしていたので、いきなり
「そんなつもりはないです。」と言われ、ただただ驚きました。
小学校に入り、このことも大きなきっかけとなりましたが、
みんなと同じ教室で、みんなと同じ事を、みんなと同じペースで
みんなと一緒にできない事があると指摘される環境に次第に不信感
が募り、広い視野を持った教育環境を考えるようになりました。
息子には息子の長所があり、「みんな違ってみんないい」
とにかくその事を本人にもわかってもらいたかったのです。
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