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公明党 佐々木さやか 衆議院議員@共同親権 令和5年4月25日


第211回国会 参議院 法務委員会

第10号 令和5年4月25日

048 佐々木さやか

○佐々木さやか君
 今お話ありましたように、子供の人権、権利に関する問題としては、いじめ、不登校、それから体罰ですとか虐待問題、様々ございます。こういった子供たちの権利擁護を行う司令塔が誕生したということでございますので、是非この深刻な問題の解決に力を発揮していただきたいと期待をしております。
 今の御答弁の中にはございませんでしたけれども、この子供の権利、人権に関する重要な問題だと私は思っているのが、離婚後の子供の養育に関することでございます。具体的には、養育費の支払の確保、それから親子交流、法律的には面会交流と言ったりしますけれども、やっぱりこれも、その離婚した両親、当事者の問題でもありますけれども、やはり子供の立場から、子供からの視点ということをしっかり私は考えるべきではないかと思っております。
 例えば、養育費については、当然、子供たちがその後生活をする、また学んでいく上で必要な費用なわけですので、それが支払わなければ子供たちの生活、権利擁護にも直結する問題であります。御存じいただいているかとは思いますけれども、この養育費の確保というのは非常に様々課題がございまして、やはりひとり親家庭、特に女性のひとり親家庭は非常に子供の貧困率というものも高いと。他方で、この取決めを、養育費の確保の支払の取決めをしているケース自体もまだまだ、さほど多くありませんし、実際の支払確保がされているのは3割にも満たないというふうにも言われております。
 この養育費の支払確保の問題、かねてからの重要な課題でありますけれども、これについては、法務省、それからこども家庭庁は今後どのようにそれぞれ取り組むおつもりなのか、お聞きしたいと思います。

049 金子修

○政府参考人(金子修君)
 お答えいたします。
 養育費の履行確保は子供の健やかな成長のために重要な課題であると考えております。
 養育費の履行確保も含めて、父母の離婚後の子の養育の在り方につきましては、現在、法制審議会家族法制部会において調査審議中でございます。その中では、養育費に関する取決めを確保するための方策や、養育費の強制執行を更に容易にするための方策などについて議論がされており、養育費の履行確保に向けた効果的な制度の在り方について幅広く検討がされているところでございます。
 引き続き、法制審議会において充実した調査審議が行われるよう、事務当局を担う立場から必要な対応に努めてまいりたいと考えております。

050 野村知司

○政府参考人(野村知司君)
 お答え申し上げます。
 養育費の履行を確保していくこと、これにつきましては、生計の確保、つまり就業、就労でありますとか、それと、子育てを1人で担うことになるというひとり親家庭において子供が健やかに安心して育まれていくためには重要な課題であるというふうに認識をしております。
 今御紹介ございましたように、法制審議会の家族法制部会においても議論が進められているところであるというふうに承知をしておりますが、こども家庭庁といたしましては、そうした議論を注視しつつも、できることから取り組んでいくということがやっぱり重要であるというふうに、こう考えております。
 そのため、こども家庭庁におきましては、離婚前後親支援モデル事業、こういったものを展開しておりまして、養育費確保に関する弁護士等による相談支援、公正証書の作成支援、保証会社における保証料の補助などの養育費の履行確保に資するような取組を行う自治体への支援を行っているところでございます。
 このモデル事業を活用した各自治体の取組事例につきましては、資料をまとめた上で、各自治体等々で御覧いただけますようにホームページ掲載などを行っているところでございますけれども、こうしたモデル事業の存在あるいはそれを活用しての取組事例、こういったことにつきまして周知を図るなど、引き続き、法務省とも連携しながら、養育費確保に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

051 佐々木さやか

○佐々木さやか君
 ありがとうございます。
 法務省さんの方では、やはり履行の確保がきちんとされやすい法制度の議論を是非お願いしたいと思います。
 やっぱりこども家庭庁さんには、今御説明をいただいたように、そういう制度があっても、実際にその履行を促したりとか、何というんですかね、支払を確保するためにいろんな手続を当事者がやらなくてはならなくて、そうしたところに寄り添った相談からそうした専門家につなぐ等の支援、是非やっていただきたいというふうに思います。
 親支援モデル事業ということで自治体への御支援をされているそうですけれども、昔に比べるとこういう事業を実施してくださる自治体も増えてきたとは思いますが、どの自治体にも必ずあって、そういう窓口に相談できる、つながれるということを目指すべきだと思います。
 ひとり親支援の窓口というのは、大体今どの自治体でもあるかなというふうに思います。検索とかネットでしても、ひとり親支援のメニューなんかをまとめてくださるところもあって、その中にも養育費確保ということが入っているところもあると思うんですけれども、このひとり親支援のメニューの中に、やっぱりこういうひとり親になる前の段階から、できれば切れ目のないような支援が標準的に利用できるようになっていけばいいなというふうに期待をしております。
 今、この養育費の確保も非常に重要ですけれども、もう1つの問題が親子交流でございます。この親子交流の支援ということも本当にかねてからの課題でありますけれども、法務省、こども家庭庁、それぞれ、これからの取組の内容、また決意等について伺いたいと思います。

052 金子修

○政府参考人(金子修君)
 お答えいたします。
 父母の離婚等に伴って父母の一方と子が別居することとなった場合において、適切な形で親子の交流の継続が図られることは子の利益の観点から重要であると認識しております。
 離婚後の親子の交流も含め父母の離婚後の子の養育の在り方については、現在、法制審議会家族法制部会において調査審議中でございます。その中では、例えば親子交流の実施に関する事項を定めるに当たっての考慮要素を例示することなどが議論されているところでございます。
 引き続き、法制審議会において充実した調査審議が行われるよう、事務当局として必要な対応に努めてまいりたいと考えております。

053 野村知司

○政府参考人(野村知司君)
 こども家庭庁といたしましても、父母が離婚した後でありましても、この父、母いずれもがこの子にとっての親であるということには変わりがございませんので、一般論として申し上げることにはなってしまいますけれども、父母の離婚後も適切な形で親子の交流が実施されるということは、これは子の利益の観点からも非常に重要であるというふうに考えてございます。
 このため、こども家庭庁におきましては、低所得のひとり親支援施策の一環といたしまして、自治体において、親子交流に関する相談でございますとか日程調整、あるいは場合によっては付添いなどの援助を行う親子交流支援員の配置を推進をしております。こうしたことによって離婚した夫婦間における親子交流の支援を行っているところでございまして、今後、引き続き、法務省と連携しながら、こういった取組を進めてまいりたいと考えております。

054 佐々木さやか

○佐々木さやか君
 こども家庭庁さんから御紹介いただいた親子交流の支援員さんのこの事業も非常に大事だと思います。こういったものをつくっていただいて、ただ、低所得のひとり親に限るという現状があります。ただ、民間のやはり面会交流支援の団体さんを利用すると、ちょっと私の古い記憶でありますけれども、1回付添いで1万、2万とかというような費用が掛かってくるはずですので、そうなると、必ずしも低所得の御家庭じゃなかったとしても、ちょっと二の足を踏むところはあるんではないかなと思います。
 ですから、やっぱりこの面会交流の問題については、法務省さんが今取り組んでいただいている法制度をどうするかという問題、それとともに、やっぱり法務省さんだけではなかなか解決難しいなと思うのが実際の親子交流の実施ですね、それからその前後のケアというようなところが、やっぱりそこが同時に充実されないとなかなかこの親子交流の、何というか、円滑な実施というのは難しいのではないかなというふうに思っております。
 今から10年ぐらい前は、この面会交流の支援の団体というと全国に1つ2つあるかぐらいでございましたけれども、最近はNPOさん等もですかね、NPOさん等が多いのかなと思いますけれども、結構数としては増えてきたというふうに聞いております。そうしたところに安心して依頼をできる、また費用面も余り心配しなくてもいいというような、面会交流の支援の充実ということについて是非私はこども家庭庁さんに頑張っていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 そこで、ちょっと大臣にお伺いしたいと思います。
 この未成年の子を持つ父母の離婚に伴う子の養育の在り方ということについては、今、法制審家族法制部会の方で検討していただいております。親子交流のみならず、養育費の確保とか様々な課題があると思いますけれども、やはり議論が、何といいますか、様々あるというのがやっぱりこの面会交流の部分かなと思います、共同親権ということでですね。まあいろいろ注目が集まっております。
 ここについては、しっかりと、もちろん法制審で様々な有識者の方、また当事者等も含めてしっかりと御検討いただいて適切な結論が出るというふうに思っておりますけれども、やっぱりこの議論においては、私が冒頭申し上げた、子供を是非中心にして考えていただきたい。子供の最善の利益ということをよく言いますけれども、この当事者のお父さん、お母さん方のもちろんいろんな御主張もありますし、そこに対する配慮ということももちろん大事なんですけれども、やっぱりどこまでも子供が中心だと、その利益を確保するためにはどうしたらいいかということをしっかりと議論をしていただきたいというふうに思っております。
 大臣、いかがでしょうか。

055 齋藤健

○国務大臣(齋藤健君)
 父母の離婚後の子の養育の在り方は、面会交流含めまして、子供の生活の安定や心身の成長にこれ直結する問題でありまして、子供の利益の観点から重要な課題であるというふうに認識をしています。
 法制審議会家族法制部会におきましては、今後、パブリックコメントの手続において国民の皆様から寄せられた意見も参考にしながら、子の利益を確保する観点から充実した調査審議がスピード感を持って行われることを期待をしていますし、事務方としてそれに協力をしっかりしていきたいと思っています。

056 佐々木さやか

○佐々木さやか君
 よろしくお願いします。
 この子供の面会交流については、私はやっぱり子供のことを一番というふうに考えたら、例えば子供に対する暴力とか命の危険があるような場合は、子供に危害が加えられたら一番子供のためになりませんので、やっぱりそういう場合は子供の身の安全が第一に確保されるべきだと。
 その上で、例えば同居親に対しても危害が加えられるような場合がある、そうなったら、やっぱり子供にとってみれば自分の親、まあ同居親も別居親もどちらも親ではありますけれども、その親に対して危害が加えられるというのは非常に大変なことですので、やはりそれも子供の利益にならないということは当然であります。
 ですから、やっぱりこの子供の立場に立ってということを考えればそうした問題も重要ですし、また、そういう対立がないような場合には、別居親との交流というのは、ここは専門家の様々な専門的な見地を踏まえていただきたいと思いますけれども、私、個人的にはやはり対立がない場合は円滑な交流がされた方がよりいいんだろうというふうに思います。ですので、本当に子供の利益ということを第一に是非議論を進めていっていただきたいと思います。
 今申し上げたような子供の面会交流、何が子供の利益になるのかということを周りが判断するというのは結構大変でございまして、当事者間の話合いで解決しない場合には調停とか家事審判とか人事訴訟とかいろんな裁判手続もあるわけなんですけれども、その手続の中でも、家庭裁判所の調査官さんが専門的な見地から子供の状況とかを聞き取ってはくださるんですけれども、やっぱりなかなか、継続的に子供に本当に寄り添って聞く、若しくは子供の考えていることを当事者に説明するとかということは、基本的に裁判所は中立的な立場なのでやらないんですよね。
 だから、裁判所の判断に必要な部分だけ調査をして、それを基に裁判所は結論は出しますけれども、どうしてそういう結論になったのかとか、子供はこういうことが今心理的にいろいろ思っているので当事者はこういうことに配慮してくださいねみたいな丁寧な説明はないわけですね。
 ですので、仮に裁判所が結論、面会交流せよとかするなとか、そういったことを出したとしても、当事者の納得というのがやっぱりないとなかなか根本的な問題解決にはならないなというのを私は仕事をしていたときに経験で感じておりました。
 そういった観点からちょっと今日お伺いしたいのは、平成25年に家事事件手続法が改正をされまして、今申し上げたような離婚ですとか親権に関する手続について、子供が当事者又は利害関係人として手続に関与をして、そして子供が代理人を、自分の代理人、基本は弁護士だと思いますけれども、を選任することができるという制度が平成25年にできました。
 これについてはちょっと最高裁家庭局長に実績等も聞こうとは思っているんですけれども、先にちょっと、余り時間もないので、実際にそういう手続代理人が選任されて良かったというふうな好事例が幾つかございます。
 今も、先ほど申し上げたように、家庭裁判所の調査官と比較すると、子供に寄り添って子供の意思を継続的に把握することができる特徴があると。子供の手続代理人ということで、お母さん、お父さんとも信頼関係を築いて、この代理人の言うことだったら信頼できるなという、そういう信頼関係の下で子供の思っていることを伝えると。そういった手続の中で、面会交流を申し立てていた側が、じゃ、今は子供のことを思うと面会交流については取り下げようというふうになったりとか、それから、親権の審判についても、子供の、こちらの親の親権ということでしたいけれども、別居親との関係も良好にしたいんだという子供の気持ちを伝えたことによって当事者間の納得が得られたとか、そういった事例があるということを、実際にそうした手続に関与等をされました家庭裁判所の判事さんが論説で述べられたりとかしています。
 ですので、子供の手続代理人ということ、こういった面会交流ですとか親権の問題を解決するために私は効果的かなというふうに思っております。
 ちょっと時間がないので、じゃ、最高裁にこの代理人の選任の実績についてお聞きをしたいというふうに思います。

057 馬渡直史

○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君)
 お答えいたします。
 家事事件手続法第23条第1項又は第2項等に基づいて未成年者の手続代理人が選任された件数についてお答えいたしますと、各裁判所からの情報提供による実情調査の結果に基づく概数ではございますが、家事事件手続法が施行されました平成25年から令和4年までの10年間の選任件数は累計で299件でありまして、近年の年間の選任件数の推移といたしましては、令和2年が37件、令和3年が64件、令和4年が49件となっております。

058 佐々木さやか

○佐々木さやか君
 年間の離婚件数が大体20万件と言われていて、未成年の子が親の離婚を経験するのが大体年間20万人ぐらいというふうに言われていますので、その中で直近、令和4年だと49件の選任と。単純に先ほどの20万件という数と比較はできませんけれども、やはりもう少し活用してもいいのかなと私は思っております。
 この制度が始まった当初は、平成25年、年間8件というところから、1番多い近年で64件というところまで増えていますので、だんだんこの認知というか活用も広がっているのかなとは思うんですけれども、この適切な活用、そしてそれに当たっての弁護士費用の問題等もございますので、そういったことも是非、法務省さん、またこども家庭庁さんには、何といいますか、議論、取組等をお願いしたいと思います。
 時間が来ましたので、以上で終わります。


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