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3、子供の好き嫌いとどう向き合うか

子供と食、と言うテーマで何かを語る時、切っても切れない永遠の難題。

そう、子供の好き嫌いとどう向き合うか、です。

実はもう答えを書いちゃってるんですが…
もう、「向き合う」しかないんです。

この記事は「我が子が家を出ていく「その日」までに伝えたいこと」と題した連載記事の一部です。是非マガジンのフォローをお願い致します。

離乳食が終わって幼児食くらいのお子さん(3〜5歳前後)がいらっしゃると、「子供の好き嫌いで困っています」とのお悩みを良く伺います。

「野菜を一切食べません」
「限られた数種類のものしか食べません」
「魚を全く食べません」
「緑色のものを一口も食べたことがありません」
「食べさせないと、自分からは食べません」

などなど、過去に伺ったご相談内容の一例ですが、枚挙にいとまがありません。

困りますよね。
せっかく作っても全く手をつけなかったり、一口食べて吐き出してしまったり。
お気持ち、痛いほどわかります。
我が家の2人もそうでした。
離乳食はなんでも食べたのに。

特に息子は今も魚介類をほぼ食べません。
私がこれだけ魚が好きで、鮭や鱧をさばいて丸ごと食べるだけの調理技術があって、築地や豊洲でプロの目利きが選んだ上質の魚や、釣り好きの友人が釣った魚をその日のうちに発送してくれて翌日届いた鮮度抜群の魚でも、です。

だから、安心して下さい。
子供の好き嫌いは、保護者の「料理の腕前」とは関係ありません。

真面目な皆さんは「自分の料理が下手だから、子供にこんなに好き嫌いがあるのでは?」とご自身を責めがちです。

でもその前に、ちょっと考えてみて下さい。
保護者の方は好き嫌いが1つも無いですか?
食べられるけど、積極的には食べない苦手な食材も1つもないですか?
大人だって食べられないものや、苦手なものの1つや2つ、ありますよね?
でも、大人が好き嫌いしても困らない。
それはなぜか?
大人の方が嫌いなものが子供より少なくて、そもそも嫌いなものはあまり食卓に上がらないから、です。
(困ってる方もいらっしゃるかもしれませんが)
料理を作る人が嫌いなものを、そんなにわざわざ買いませんよね?
そもそも食卓に来るルートがないから困らないんです。

では、子供の好き嫌いはどうでしょうか?
たいてい、大人より子供の方が好き嫌いが多いですよね。子供の方がより本能的に食べ物を選ぶ傾向が幼ければ幼いほど強いからです。

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酸っぱいものは「腐敗」の目印なので避けます。
苦いものは「毒」の目印なので避けます。

子供が苦手な野菜には、この酸味や苦味の要素が多分にあるため、子供が野菜を避けるのはいたしかたない部分もあるのです。
でも、成長と共に酸味や苦味が「腐敗」や「毒」ではないことが経験上分かってきますし、味覚も成長と共に変わります。
成長と共に、今までは本能で「とにかくカロリー摂取を優先」にしてきた食事が「栄養バランスも同時進行」になって来ます。そうしないと体の成長と環境変化についていけなくなるからです。
また、お子さんの性質的に、こだわりが強く特定の食べ物しか受け付けない、と言う場合もありますので、好き嫌いを無くすことに深刻になり過ぎて心が折れないようにお気を付けて下さい。

また、幼いと「何が不快で嫌なのか」を上手く言語化して伝えられないから、吐き出したり、お皿の端によけたりします。
だんだん語彙力がついたり、自分の気持ちや状態を言語化出来るようになると

「固くて噛みにくい」
「パサパサして飲み込みにくい」
「この味が苦手」
「酸っぱくて美味しくない」
「苦くて食べられない」

と話してくれるようになります。
そうなるまでが長く、永遠に感じるかもしれませんが、大丈夫。
そうして、だんだん色々なものが食べられるようになるのです。

ですから、無理に好き嫌いを「無くさなければ」と思い詰める必要は無いんです。
「好き嫌い」とは文字通り、「嗜好」なんです。だから理由を言語化出来ない場合も往々にしてあるのです。
私も含め、子供の頃は苦手だったけど今は好きだったり食べられるようになったものがある、と言う大人は多いのではないでしょうか?

今の30〜40代が子供の頃と違って、今は他人の家の食卓が簡単に垣間見えるようになってしまったので、昔よりも好き嫌いが問題視されるようになっていると言う時代背景もあるように思います。

ただ、「これは食べないから買うのやめよう」とか「作らないにしよう」と食卓に出さないと、いつまでも食べられるようになりません。保護者の方が好きなものや、栄養価が高く食べさせたいと思うものは、食卓に出し続けて「美味しいよ、食べてごらん」と声をかけ続けて下さい。

きっかけは仲良しの友達だったり、TVや動画だったり、何かわかりませんが、いずれ食べられるようになるかも知れません。教室では、そのきっかけの1つになれれば、と普段の様子など伺って具体的なアドバイスなどでお手伝いをしています。

もちろん、疲れていたり、気持ちが落ち込んでいて、心折れそうな時には、外食したり、お惣菜を買ったりして、人に頼っても良いんです。

「買ってきたものや、お店のものなら食べるんです」

と言う場合は、そこに何かヒントがあるかもしれません。
味の付け方や、保護者の方の表情や態度(「食べなさいオーラ」を出していないなど)が普段の食事とは違うかもしれません。

そう言ったサインを見つけながら、無理せず向き合っていってみて下さい。
子供の食べる食べないは千差万別なので、「こうすれば食べる!」とは断言出来ませんが、いずれ報われる時が来ると思います。

無理せず、食事を楽しめる環境を出来るだけ整え、細く長く向き合いましょう。


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