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ご家庭で煮魚を美味しく作るコツは「コールドスタート」

最初に言ってしまいましたが、リクエストが来たので煮魚を美味しく作るコツをお伝えしますね。

このところ、飲食店の営業自粛の影響で普段スーパーに並ばないような質の良い魚介類がお手頃な価格で並んでいることが多いようです。

なんとこの処理済みの立派なアオリイカ、約400円ですよ!

平時なら安くても980円以上するシロモノです。
イカは以前やりましたので、また改めて。

今回は煮魚の定番!カレイを使って煮魚を美味しく作るコツを解説したいと思います。

この方法は、魚の身に味を染み込ませないので、身がふっくらとしてジューシーに仕上がり、驚きの柔らかさに煮上がります。
身に味が染みていないため、煮汁をからめながら召し上がっていただくスタイルです。
そのため、煮汁をなめて少し濃い目に煮詰まるのが理想的な魚の美味しさを存分に楽しんで頂けるレシピです。
(煮魚が苦手な夫が「ふわふわで美味しい!」と絶賛します。)


では、早速北海道産の子持ちアカガレイを煮つけます。まずは下ごしらえから。

ぬめりやウロコの取り残しがある場合があるので霜降り(表面のぬめりが白っぽくなるまで熱湯を回しかけてから流水で丁寧に洗い流す)します。

熱湯を回しかけることで、表面の滑りが白く固まるので手でこすり落とし、丁寧に洗い流します。

ウロコの取り残しも熱湯をかけることで手で簡単に取れるようになるので両面きれいに掃除します。この手間は省かず丁寧にしましょう。

きれいになったら、キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取ります。

身が厚ければ皮目に十字の切込みを入れると火の通りも良くなります。
ここまででカレイの下ごしらえは終わりです。

では煮付けていきましょう。

煮魚は鍋よりもフライパンで作るのがおススメです。盛り付けやすいのと、径が広いので重ならないように切り身を並べられるからです。
尾頭付きも同様です。

【煮汁】(24〜26cmフライパン用)
・水 … 200ml
・醤油 … 大さじ3
・酒 … 大さじ3
・みりん … 大さじ3
・生姜薄切り … 1かけ分

※小さなフライパンで1切れだけ煮付ける場合は煮汁の量を3割程度減らして下さい。
※甘めがお好きならみりんを増やすか、お砂糖を少し足して下さい。


フライパンに上記の材料を全て入れ、冷たいままのフライパンに下ごしらえした切り身を皮目を上にして入れます。
煮魚はお肉と違ってひっくり返さないので、盛り付ける時に上になる面を上にして煮付けます。
尾頭付きの場合は頭を左にして入れて下さい。

フライパンを弱火にかけ、煮汁を魚にまわしかけます。煮始めのに煮汁とフライパンが冷たいので「コールドスタート」と呼んでいます。

この時点ではまだ煮汁が冷たいのですが、だんだん煮汁が温まってじわじわと魚の表面が白っぽく固まってきます。

皮目に入れた十字の切込みもきれいなままです。(沸騰した煮汁に冷たい切り身を入れると、急激に火が入るので一気に身や皮が縮んでしまいます)

切込みを入れた身が白く固まったら火を中火にして煮汁を沸騰させます。

このくらいぶくぶくと沸きたったら落とし蓋をします。アルミホイルやオーブンペーパーでもかまいません。

ここから切り身なら5分程度、24cm以下の尾頭付きなら8〜10分程度身の中心までしっかり火を通すように煮ます。
ぶくぶくと沸きたつと軽いアルミホイルなどはふわふわと浮いてしまいますので、吹きこぼれないようにだけ気を付けて下さい。

煮汁が1/2〜1/3程度まで減りました。
これで煮上がりなので、お皿に盛り付けます。

本当は木の芽などあると最高ですが、なくても十分です。
切り身の場合も頭のあった方を左に盛り付けます。またはお腹を手前、背中を奥に盛り付けます。


調理のポイント

①霜降りで丁寧に汚れとウロコの取り残しを掃除する

②煮汁は沸騰させず、冷たいまま魚を入れる

③煮汁を回しかけて、表面が固まってきたら中火にして落とし蓋をする


しっかり身に味が染みた煮付けも美味しいのですが、染み込んだ分だけ魚が本来持つ水分が抜けてしまってパサパサになってしまいますし、染み込むほど煮込むと煮汁が煮詰まり過ぎてしょっぱくなってしまう事が多いので、一般的なレシピよりも短時間で仕上げています。
(ただし、煮始めを低温から始めるのでトータルでかかる時間はあまり変わりません)

尾頭付きの煮付けは骨の周りが火の通りが悪く時間がかかりますが、手順は全く同じです。

お店で食べる煮付けとはちょっと違います。
是非お試し下さい。

試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!