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2、「正しい食事」、「悪い食事」と言う言葉に違和感はありませんか?

TVや雑誌などで見かけるこれらの言葉に、違和感を覚えます。
皆さんはいかがですか?

「食育」と言うテーマで食べ物が語られる時、よく見かける言葉なのですが、食べ物に「正しさ」や「善し悪し」は無いと考えます。

この記事は「我が子が家を出ていく「その日」までに伝えたいこと」と題した連載記事の一部です。是非マガジンのフォローをお願い致します。

ここを勘違いしてしまうと、メディアの「◯◯を食べて免疫力UP!」「食事改善で◯◯が治った!」みたいな煽り報道に踊らされてしまったり、「◯◯は身体に悪いから食べるな!」と言った偏った考えや食事になりがちです。
こう言った偏った考えになると、どうしてもその価値観と合わない人に対して攻撃的な態度を取ることが多い傾向があるように見受けられます。

最近では、主婦向け雑誌で取り上げられた「毒飯」が炎上しましたね。

身体に「良い食べ物」「悪い食べ物」もよく使われますが、自然の食べ物の中にも、多かれ少なかれ、ネガティブな要素が含まれているものも結構あります。
有名なところでは、フグのフグ毒がありますね。
それから、栄養価の高い野菜の代表でもあるほうれん草もその一つです。

ほうれん草に含まれるシュウ酸は、カルシウムと結びつきやすい性質があるため、体質によっては結石の原因となることもあります。
ただし、シュウ酸は水溶性なので、茹でて水にさらすことでシュウ酸を減らすことが出来ます。

このように、調理や下ごしらえを工夫することで、自然の食べ物に含まれる毒性を除去してより美味しく食べられるように食文化は発展して来ました。
ですから、食べ物それ自体を二元論的に評価するのではなく「◯◯は身体を冷やす効果がある」や「◇◇は利尿効果がある」などの言い方がよいのではないかと思います。

以前、教室のブログにもコラムとして書いたのですが「食に善悪を持ち込まない」こともきちんと伝えておきたい事の1つです。コラムでは、食べる行為への良し悪し(食べたら良い、食べなかったら悪い)の評価について書いています。

そもそも、加工食品以外の食べ物は、「人間が食べるため」だけに存在しているわけではないのです。
人間は自分たちが生きるために、自然に存在している植物や動物の命を文字通り「いただいて」いるのです。それをもって「悪い」だの「良い」だのと二分するのはおこがましいと思うのです。

これは、人間が進化の過程で「雑食」という食性を獲得して来た以上、仕方のないことなので(だから過酷な自然環境を生き残れたので)、食べることに「善悪」を持ち込まないことが大切です。

普段なら気にならないかも知れませんが、東日本大震災や熊本豪雨のような天災があった時、食べ物を「良い」「悪い」と選り好みしていたら食べられるものはなにも無くなってしまいます。
災害備蓄食糧は、日持ちさせるために色々な工夫がされているからです。

「添加物が入ったものは絶対に食べたく無い。そんなものを食べるくらいなら食べない方がマシ」と言う人もいましたが、通常生活で1食や2食なら食べない方がマシと思えるかも知れません。でも、それが災害時の極限状態で果たして数日、数週間と続けられるでしょうか?

生命を繋ぐためには、価値観に合わない食べ物だろうがなんだろうが、食べなければ生きていけない場面もあるのです。

選べる環境であれば存分に選んで下さい。
その選択は生産者や流通業に携わる人を支えることでもあります。

しかし、そうではない環境になる可能性もゼロではありません。
ですから、防災食講座の際は、必ず備蓄品の見直しの際に実際に備蓄食糧を食べて慣れておく事をお勧めしています。

特に小さな子供と高齢者は食に関してとても保守的なので、普段食べ慣れないものや、初めて手にする食べ物を食べられなかったりします。
大人でも突然食物アレルギーを発症したり、上手く咀嚼出来ず喉に詰まらせたりと言ったトラブルの可能性もありますので、備蓄食糧は年に1〜2回のタイミングで賞味期限切れ等で入れ替える際に実際に食べてみて下さい。

◇◇◇

少し話がずれましたが、食事も体に「良い食事」「悪い食事」みたいに評価してしまうと、食事の支度や用意が辛くなります。
そして、それを評価するのは、たいがい食事を「作ったり用意する側」ではなく「作ってもらったり用意してもらう側」だと言うことも頭に入れておきましょう。

食事を作ったり、用意する人は、やらざるを得ない状況で仕方なく、と言う方もいらっしゃるかも知れませんが、それでも、それが体に「悪い」ものと思って作ったり用意したりはしていないと思うのです。
もしそう思いながらも仕方なく、と言うのであれば食事がストレスになっている可能性が高いので、何らかの支援やサポートが必要かも知れません。

たいていの方は、自分自身と家族やパートナーが日々を心身共に健やかに過ごせるようにとの気持ちで食事を用意していると思います。
用意してもらった食事に苦情や苦言を呈すのは、相手に対する甘えです。

「自分の要望が相手にいつでも聞き入れてもらえるのが当然だ」と言う甘えは、子供であれば仕方のないことです。まだ大人に依存していないと生きていけないので、子供が大人に甘えるのは当然です。

問題なのは、大人の甘えです。
食に関して自立出来ていないから、用意してもらった食事に関して感謝も出来ず、幼い頃から保護者にしてもらっていたように、あれこれ文句を言ったり注文を出したり、評価したりします。依存とも言える状況です。

このような状況にならないように、子供達に今から少しずつ、食の自立に必要なことを伝えていくことが大切だと痛感しています。

「食べる」ことについて、おススメの書籍を何冊かご紹介しますね。
よろしければ図書館や書店で手にとってみて下さい。

また思い出したら随時追加しますね。


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