コンソメと鶏ガラスープの使い分け、どうしてる?
あると助かる各種スープの素。
和風だしの素をおみそ汁や煮物に使うのはわかりますが、鶏ガラスープの素(以下「鶏ガラ」)とコンソメスープの素(以下「コンソメ」)ってどうやって使い分けたらいいのでしょう?
どちらかしかない場合、それぞれ代用してもいいのでしょうか?
早速それぞれの違いから見ていきましょう。
「コンソメ」と「鶏ガラ」、何が違うの?
この話をすると、本来は「コンソメとはなんぞや?」みたいなところから始まらないといけないのですが、それは後ほど少しだけ。
今回は日本における家庭料理、特に「スープの素」に限った話なので詳しくは割愛させて頂きますね。
メーカーによってまちまちかと思いますが、手元にある「コンソメ」の原材料は↓
チキンコンソメパウダーにチキンエキスパウダー、酵母エキスパウダーにトマトパウダー、魚醤パウダー、オニオンエキスパウダー、乳酸発酵トマトエキスパウダー、さらににんじんエキスパウダー!
色々なパウダーが入っていて強そうです。(うま味的に)
では、「鶏ガラ」の原材料も見てみましょう。
上記の「コンソメ」に比べるとややシンプルですが、こちらもチキンパウダー、オニオンエキス、ねぎエキス、ジンジャーパウダーなど入っていて強そうです。
メーカーによっても異なりますが、どちらもチキンパウダーやチキンコンソメパウダーなどが入っており、動物性のうま味がベースのようですね。
これではますます使い分けが分かりにくくなってきました。
チキンとオニオンエキスは共通ですが、どちらかと言うと「コンソメ」の方が野菜のうま味や魚醤などチキン意外のうま味も多く入っており、チキンだけでは得られない複雑な味わいになっているようです。
実際にお店のコンソメスープは、鶏ガラの他に牛肉やたくさんの香味野菜を使ってじっくり時間をかけて作ります。ご家庭で再現するのは大変なお料理です。
そして、ここが誤解されやすいのですが、コンソメスープと言うのは、出汁やお料理のベースではなく一つの完成されたお料理です。
レストランのメニューにもコンソメスープと記載されているお店がありますよね。
和風だしの素と並列のイメージがあるので、「コンソメ」も洋風のお料理に必ず使うベース(土台)だと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
和風だしは基本的にはお吸物や煮物のベースになるものであって、それそのものだけではお料理として成立していません。(意図的にだしだけでお料理として成立させる場合もありますが、一般的ではありません。洋食でだしに相当するものはブイヨン、ストック、ブロスなどです)
ですから、教室のレッスンでクリーム煮や洋風のスープなどのお料理を作るときに「コンソメの素って入れなくても良いんですね!」と驚かれることがしばしばあります。
和食におけるだしのように、入れなければならない土台になるものではなく、本来は粉末コーンポタージュと同じようにお湯で溶いてすぐに出来上がる完成したスープなんですね。
では、「鶏ガラ」はどうでしょうか?
中華料理におけるスープは「湯(タン)」と言って、和食のだしと同じような使い方をします。炒めものや煮物などの色々な料理のベースに使われるものです。
湯にはいくつか種類がありますが、この鶏ガラで取る基本のスープはいわゆる「毛湯(マオタン)」と呼ばれる少し濁ったスープで、お店でお客さんに料理としてそのまま出されることはほぼありません。素(す)のだしの扱いなので。
お店でもメニューにコーンスープ、卵スープ、フカヒレスープ、などのメニューはあっても鶏ガラスープは無かったと思います。
しかし、日本で市販されているほとんどの鶏ガラスープの素には、上記の写真の原材料表示の通り、塩などの調味料が入っており、お湯で溶いてそのまま飲んでも美味しいものになっています。
(これは和風だしの素についてもほぼ同様です)
さて、いよいよ訳がわからなくなって来ましたね。
どちらもお湯で溶いてそのまま飲めるくらいの味が付いていて、チキンをベースにしています。(チキンがベースでないものもあります)
ぶっちゃけて言うと、商品パッケージ通りコンソメの素は洋食、鶏ガラスープは中華に使えばいいんですが、上記の通り、使っている材料が似ているので、それぞれ代用が可能です。
ただし、コンソメスープの代用に「鶏ガラ」を使うなら、原材料に含まれないトマトやにんじんなどの香味野菜を足して本来のコンソメに近付けるとなお良いですが、その他のお料理の場合、お肉や野菜などの食材も使うと思いますのでそんなに意識しなくても十分かと思います。
「鶏ガラ」は「チキンとねぎ系のうま味を足せるもの」と認識しておくと大きな間違いは無さそうです。
では、「鶏ガラ」の代用に「コンソメ」を使う時は、何に気をつければいいのでしょうか?
「コンソメ」を使うと鶏以外のうま味も多くすでに完成された料理になるので、油や調味料で中華らしい風味を足してあげればいいと思います。
具体的には、油をごま油に、調味料にはオイスターソースや甜麺醤、豆板醤などの中華調味料を使うと「コンソメ」の風味をマスキングしてくれます。
とは言え、炒飯にイマイチ旨味が足りないと思えば「鶏ガラ」ですが、無ければ「コンソメ」を使っても大丈夫。ちょっとピラフっぽい仕上がりになるだけです。
どちらも本来はスープの素ですが、「うま味を足す」ための調味料として使う方が既に一般的な使い方として認知されていますね。
上手く使いこなすと無理なく美味しいお料理に仕上がるので常備されている方も多いと思いますが、原材料表示の先頭に塩が来ている通り、うま味だけではなく塩分も入ります。
入れ過ぎるとしょっぱくなり過ぎることがありますのでご注意を。
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