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オリーブ油とサラダ油の使い分け、どうしてる?

前回の「片栗粉と小麦粉の使い分け、どうしてる?」の反響が割と大きかったので、調子に乗って続編を何本か書いておこうと思います。

Twitterでフォロワーさんにアンケートをとったところ、このテーマが1番人気だったので、まずはココから。

オリーブ油とサラダ油、どちらも同じような植物油で使い所もだいたい同じ…
となると、どんな時にオリーブ油を使って、どんな時にサラダ油を使うのか、迷ってしまいますよね。

では、早速、それぞれの違いから見ていきましょう。

オリーブ油はオリーブから採った油、サラダ油はサラダから採った油?

疑問に思ったことはありませんか?
オリーブ油はオリーブから採った油、ごま油はごまから採った油、大豆油は大豆から。

では、サラダ油は?
サラダから採った油、ではありません。

サラダ油とは…

「日清サラダ油」が誕生したのは、1924(大正13)年のことでした。日清製油(現日清オイリオグループ)が、ドイツから最新の精製設備を導入し、大豆特有の青臭さ除去に取り組み、日本で初めて精製度の高い食用油の製造に成功したのが始まりです。
当時日本では、食用油は主に揚げ物調理に使っていました。一方、西洋では、生野菜に塩や酢を加えた食用油をいわゆるドレッシングのようにして食べていました。冷やしても固まらずに、サラダ料理などに生でも使用できる精製の度合いを高めた良質の食用油を「サラダ油」と名づけたのです。
以来、「サラダ油」という名称は、日本での油の品質を示す規格にも使われるようになり、食用油をさす一般名称として私達の生活の中に根づいています。
https://www.nisshin-oillio.com/story/p06-01.html

サラダから採った油ではなく、サラダ向きの油と言う意味なのですね。しかも日本発祥なのですが、ご存じでしたか?

メーカーにより様々ですが、元祖の日清オイリオのサラダ油はなたね油と大豆油のブレンドです。
「大豆のサラダ油」のように単一原料の油を使ったサラダ油もあるので一概には言えませんが、多くのサラダ油はブレンド(健康志向を謳った油もブレンド油が多いです)、その他の油は単一原料の油と思っていれば大きく間違うことは無さそうです。オリーブ油もその一つ、と言うことですね。

上記に「精製度合を高めた良質な油」とあるように、サラダ油はクセがなくオールラウンドに使いやすい油です。生で食べられる、と言うふれ込みですが、揚げ物にも使いやすい油です。

では、オリーブ油はどうでしょうか?

オリーブ油は普通のオリーブ油とエクストラバージンとが分かれていますが、個性的で香りや味が強いものもあり個性が強いためオリーブ油は向かない料理もあるということを覚えておくと良いでしょう。

料理の国籍を決めるもの、それが油

私は、料理の国籍を決める要素の多くは実は油脂だと考えています。

和食ならごま油、菜種油など
中華ならごま油
中東南アジアならココナツ油
イタリアならオリーブ油
フランスならバター

のように、代表的な各地の料理に主に使う油脂は国や文化によって異なります。これらは産地とも深い関係がありますね。

和食に使うなら

上記を踏まえて、使い分けるとするならば。

和食に使うならオリーブ油よりも、クセのないサラダ油や米油、菜種油、大豆油がむいています。
出汁や素材の香りを大切にするからです。

ただ、あえて白だしや醤油とオリーブ油を合わせてパンチの効いた味や風味を目指しているレシピもあるので、レシピにオリーブ油が指定されている場合はこの限りではありません。

同様に、中華料理にもオリーブ油はあまり向きません。中華料理に向くのは、ごま油、ピーナッツ油などですが、サラダ油を使ってもいいですね。

洋食に使うなら

あえて主語を大きくしていますが、パスタやハンバーグ、コロッケなどは和食とは思えないにしても、日本の家庭料理としては既に市民権を得ていますよね。

パスタにはやはりオリーブ油を使いたいところです。最近ご家庭でも登場するようになったアヒージョなどのスペイン料理もオリーブ油ですね。

では、パスタ以外のお料理はどうでしょうか?
コロッケやトンカツをオリーブ油で揚げるとちょっと違和感がありますね。ここはやはりクセのないサラダ油の出番でしょう。もちろんサラダ油ではなく、上記の菜種油や米油などでもOKです。

野菜炒めはどちらを使えば良いの?

○○料理、と言われればオリーブ油の使い所としてイメージしやすいですが、野菜炒めにあまり国籍は無さそうです…
中華の野菜炒めもあれば、和の野菜炒めもあり、イタリアやフランスにも野菜炒めはあるでしょう。

…と言うことで、野菜炒めはお好みでどちらでも。山菜などの風味を活かしたいなどの目的があれば、クセのないサラダ油にしてもいいかもしれませんし、パプリカやズッキーニはオリーブ油で炒めたい、などのように素材や気分で選ぶのもアリかなと思います。

オムレツはどちら?

オムレツと卵焼き

オムレツを作るときはバターを使いますが、バターがない時の代用に使う場合は、どちらがいいのでしょうか?

プレーンオムレツやオムライスなどのいわゆる具材を包むオムレツは具材の味と卵の甘さを邪魔しないようにサラダ油を使うといいでしょう。

具材をたくさん入れるスパニッシュオムレツは、具材が強いのでオリーブ油でも負けることはありませんし、スペインにサラダ油は無さそうです。ちなみに、スペインは世界最大のオリーブ産出国です。イタリアではなくスペインやギリシャの方が生産量が多いんですね。この辺りは土地柄でしょうか。

代用するならどちらを選ぶ?

レシピに指定された油脂が無い場合(製菓を除く)、代用するにはどちらを使えばいいか、ここまで読んで下さった皆さんはもうお分かりですね?
そう、代用に使うならサラダ油です。

ごま油の代わりにオリーブ油を使ってもお料理は出来ますが、もやしのナムルにオリーブ油を使うと、それはもうナムルではなくマリネと呼びたくなる味になるのですよね。油の影響力、半端ないです。

マヨネーズをオリーブ油で作ったことはありますか?オリーブの風味が強過ぎて(エクストラバージンオイルを使ったため)マヨネーズとして使いにくくなってしまったことがありました…

手作りマヨネーズとドレッシング

ある程度ご家庭でお料理をする方でしたら、個人的にサラダ油(または米油、菜種油)、オリーブ油、ごま油の3種類の油を揃えておくと、お料理のバリエーションが増えてレパートリーに困らなくなるのでおススメです。

普段あまりお料理をなさらない方なら、サラダ油(または米油、菜種油)が一本あれば、ほぼどのお料理にも使えます。それくらい何にでも使える油だと言うことですね。

ただ、オリーブ油にはオリーブ油の良さがありますので、やはり油は3種常備して頂きたい気持ちを捨てきれません。

オリーブ油とサラダ油の使い分け、なんとなく出来そうでしょうか?

普段のお料理の油を変えてみると、風味が変わって別のお料理になりますよ。面白いのでお試し下さいね。


まとめ

【サラダ油】
全ての料理に使えるオールラウンダー
クセがなく他の油の代用も可能

【オリーブ油】
パスタやマリネなど西欧料理に使う
和食や中華に使う時は要注意
他の油の代用には使いにくい

使い分け、どうしてる?シリーズ続編↓

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