配慮の言葉をかけてあげんさい

ドアを開けたら後ろの人が入ってくるまでドアノブを離さず開けたままにしてあげる。

エレベーターに乗ったら、人が降りるまで「開」ボタンを押し続けるか、ドアが閉まらないように手で押さえてあげる。

ほんの些細な配慮の行動ですが、された人は「やさしさ」を感じるはずです。

「この人親切だな」、「この人といると安心するな」、そんな気持ちが一瞬でも芽生えます。

電話対応にそんな「やさしさ」を応用しましょうって話です。


電話対応は相手との接点は声だけです。

当然ですがドアを開けたままにも、エレベーターの「開」ボタンを押すことも声では伝えられません。

もしお客様に「やさしさ」を分けてあげられるとすれば、それは言葉でってことになります。

じゃあ「やさしさ」を感じる言葉って?

いくつか例をあげておきましょう。


「朝早くからお電話ありがとうございます、すぐに対応いたしますね」

「雨が降っているようなので、ご来店される際は足下にお気をつけてくださいね」

「今まで弊社商品のご利用ありがとうございました、1日も早い快復を心より祈っております」


普段「お電話ありがとうございました」や「ご来店お待ちしております」といった言葉くらいしか使っていない方には、とても丁寧に聞こえるのではないでしょうか。

こんな感じの言葉をかけてあげればお客様は「やさしさ」を感じることができます。

きっとお怒りのお客様は「む?腹は立つけどこの人が悪いわけじゃないもんね」と気を沈めていただけるかもしれません。

商品が好きで電話をかけたお客様は、サービスも好きになっていただけるかもしれません。

トラブルで困ってお電話されたお客様は、朝からガタ落ちだったテンションが急上昇するかもしれません。


「言わんとすることはわかるけど、そういう言葉を考えるのがまずムズい」

とてもよくわかります。 

考え方のコツを共有しておきますね。


①これがなんで配慮の言葉なん?

「朝早くからお電話ありがとうございます、すぐに対応いたしますね」

「雨が降っているようなので、ご来店される際は足下にお気をつけてくださいね」

「今まで弊社商品のご利用ありがとうございました、1日も早い快復を心より祈っております」


どれもお客様の心情を想像した上での言葉になります。

コールセンターで働く皆さんは、こんな朝っぱらからよく電話かけてくるなって思う時ありませんか?

きっとお客様も朝っぱらから電話したくないと思ってるはずです。

「いつも電話が混んでるから朝イチなら空いてるでしょ」「今日は遅めの出勤だから今のうちに電話しとこ」「なんで車のエンジンかかんねーんだよー遅刻しちゃうよー」

いろんな理由があるから朝から電話されるんです。

だからこそ、「早く対応するね!」って言ってあげることでお客様は「私の状況わかってくれてる、やさしい」と思われます。


「どういうのが配慮の言葉なのかはわかった、でもどうやって思いつけばいいの?」

3つの考え方があります。


②時間に気を配ってあげんさい

お客様が日本在住である限り、あなたとお客様が過ごしている時間は一緒です。

お客様が朝に電話をかければ、あなたは朝に電話を取ることになります。

あなたが朝抱いている感情はお客様にも共通するかもしれませんね。

「眠い、しんどい」「急いでいる」「忙しい」といったキーワードから言葉を考えればいいと思います。

例:朝早くからお電話ありがとうございます、すぐに対応いたしますね

例:朝のお忙しい中お電話くださりありがとうございました


昼なら「昼食」「仕事中」でしょうか。

例:お昼時に申し訳ございません

例:お仕事中失礼いたしました


夜は「仕事終わり」「夕食」「家族団欒」

例:お仕事終わりで疲れていらっしゃるのに、お電話出ていただいてありがとうございました

例:家族団欒のお時間にお邪魔して申し訳ございませんでした


予めこの時間帯はこの配慮の言葉を使う!と準備できるのが時間の配慮のいいところです。


②場所に気を配ってあげんさい

電話をかけるシチュエーションは家だけとは限りません。

移動中、職場のトイレ等様々です。

電話対応中は周りの環境音を注意深く聴いてみてください。

電車のガタンゴトンという音や車内アナウンス、お客様がやけに小さな声で話されている様子(電話と口元に手を置いてヒソヒソと話すようなイメージ)、お風呂場のような声が反響するような場所にいたら、場所の配慮のチャンスです。

例:今お仕事中でしたよね?お時間ない中失礼いたしました


また、店舗に誘導するような案内のあるコールセンターであれば、天気予報は見ておいて損はありません。

雨が降っている、雪が降っている、やたら最高気温が高いといった地方だけチェックしておけば大丈夫です。

例:雨が降っているようなので、ご来店される際は足下にお気をつけてくださいね


その場の状況を探るスキルが必要ですが、一度覚えてしまうとすぐに活用できるのが場所の配慮ですね。


③状況に気を配ってあげんさい

お客様の状況に合わせて配慮してあげる言葉です。

電話対応中に、お客様から「今入院してて」「今から旅行に」「これから出勤なんだけど」といったお客様ご自身の状況を教えていただけるタイミングがあると思います。

これを利用しない手はありません。

例:今まで弊社商品のご利用ありがとうございました、1日も早い快復を心より祈っております

例:○○への旅行、楽しんでくださいね!

例:お仕事がんばってください!


お客様によって状況は様々なので、一番レベルが高いかもしれません。

ですが、今あなたがお客様と同じ状況だったら...を考えれば自然と言葉が出てくるかもしれません。

先ほども言ったように、あなたが抱いた感情をお客様もだいたい感じてます。


いかがでしたでしょうか。

ほんの些細な配慮の言葉ですが、真心込めた言葉はきっとお客様に「やさしさ」を感じていただけるでしょう。

このnoteを見たら、ひとつずつでいいので実践してみてください。


あなたの電話対応が少しでも楽になりますように。

では、よい1日を。

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