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感謝の効果を最大限に発揮する

「ありがとうございます」という言葉は電話対応でよく使われますが、何度も何度も使用することで顧客満足度に影響します。

・対応が冗長だから早く切りたい
・一辺倒な対応によりイライラする

お客様を上記のような心情にさせてしまい、顧客体験を損ねてしまいます。


『カスタマーハラスメント』という言葉が知れ渡り、「電話対応はつらい仕事」が常識になった今、オペレーターさんは「いかにお客様を怒らせないか」に必死です。
そんな心理状態だから、無意識に恩を売ろうとしているのか「ありがとう」を多用してしまっています。


適切に感謝ができればそれだけでお客様を不快感なく迅速に対応を終えることができます。

本日は「ありがとう」の適切な回数、代替案、伝え方についてご紹介します。


1. 「ありがとう」は最大5回までと決める

なぜ5回までかというと、1本の電話対応内で最低5回の「ありがとう」フェーズがあるからです。

まず、冒頭と終話時には「電話してくれてありがとう」のお礼を必ず使用します。

顧客情報を取り扱っているコールセンターは、「顧客情報の確認をさせてくれてありがとう」のお礼が必ず必要ですのでこの1回も固定。

残りの2回ですが、そもそもコールセンターでお客様に対して使う「ありがとう」とは、「問い合わせ内容について教えてくれたこと」「これからお願いすること」の2種類に対するお礼です。

問い合わせ内容を含めて、お客様の背景・状況を全て聴取した上で「ありがとう」、お客様へ依頼する内容を全て伝えた上で「ありがとう」、これで5回です。

大事なのは、「全て聴取した上で」「全て伝えた上で」です。

最後の最後で「ありがとう」を使います。

では聴取中、伝えている間の場面ではどのような言葉を使うのでしょうか。


2. 言い換えができる返答は「ありがとう」を使わない

前述したように、コールセンターでお客様に対して使う「ありがとう」とは、「問い合わせ内容について教えてくれたこと」と「これからお願いすること」の2種類に対するお礼です。

お客様から何かを聞き出した際は「さようでございましたか」「〇〇でございますね」「かしこまりました」等を使用することでお礼を避けることができます。

お客様に何かを依頼する際は「よろしくお願いします」を使用します。製品に対して操作が必要な際は、「はい、次の操作ですが」といった形でお礼で操作を止めず次へ次へと誘導していってください。

これらの言い換えで「ありがとう」は随分抑えられるはずです。


ここで、普段から「ありがとう」をたくさん使用している方から疑問が生じます。

感謝の言葉を減らしてきちんと効果は出るのか、と。

ご安心ください、きちんと1回1回に気持ちがこもっていれば出ます。


3. 抑揚をつけ、「ありがとう」の品質を上げる

お礼を多用するよりも以前の問題なのですが、気持ちのこもっていない「ありがとう」を使うことがお客様を怒らせてしまう種なんです。

いつもの話すスピードとは明らかに違うスピードで「ありがとう」を言いましょう。

いつも話す声のトーンとは明らかに違う高さで「ありがとう」を言いましょう。

スピーディーに声のトーン低めで「ありがとう」と伝えることで会話を次に進めさせることができます。

ゆっくりと高めの声で「ありがとう」と伝えることでお客様を喜ばせるお礼となります。

場面に合わせて意識的に声質を変えることで、品質の高い「ありがとう」を作り出すことができます。


4. 問い合わせに関する一連の流れ

ここまでをまとめると以下のような流れで電話対応が進行します。

冒頭「お電話ありがとうございます。〇〇会社の〇〇です」

顧客情報「お客様の情報が確認できました、ありがとうございます」

問い合わせ内容や背景、状況を聴取中
「さようでございましたか」「〇〇でございますね」「かしこまりました」

問い合わせ内容や背景、状況を聴取後
「細かく教えていただきありがとうございます」

お客様への依頼や操作協力中
「よろしくお願いします」「はい、次の操作ですが」

お客様への依頼や操作協力後
「ご協力いただきありがとうございます」

終話時「本日はありがとうございました。またのご連絡お待ちしております」


お礼の言葉に意識を向けると効率よくお客様に伝わる、そんな話でした。

同じような理由で謝罪の言葉も多用すると顧客体験を損ねてしまうため注意が必要です。

謝罪に関してはまた機会があれば作ります。


あなたの電話対応が少しでも楽になりますように。

では、よい1日を。

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