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大学受験英語:変わっていること、変わっていないこと

「受験英語」という概念について、改めて

今回は、2024年の大学入試を目指す受験生に知っておいてほしいことをお話しします。受験英語というのは、入試のために学ぶ英語のことで、その内容は、入試問題の内容と、受験生である学習者の状況によって決まります。

受験英語の変わっていないこと

先に、大学受験英語の、この半世紀くらいで変わっていないことからお話しします。まず、大学入試英語の出題内容が配点比では読解問題が中心となっていること。このことは大学入試に英語が課せられてから一貫した傾向なのかもしれません。それくらい不変です。読解問題中心の入試英語に挑むには、英語が読めなければなりません。英語が読めるようになるための学習過程もまた、数十年で変わったりはしません。英語という言語が数十年で劇的に変化したりはしませんし、人間の脳のしくみが数十年で劇的に進化したり退化したりもしないからです。

受験英語の変わっていること

大学受験英語の、この半世紀くらいで変わっていることは、入試英語側にも、受験生である学習者の側にもあります。入試に関して言えば、出題される文章の長文化と、記号で答える選択式の問題の増加を指摘することができます。学習者側に関しては、文法を学ぶ機会の減少が挙げられます。短い文章を読んで記述式の問題を解く場合は、精読力が求められます。高校でも文法中心の英語の授業が行われ、その知識に習熟する方法が英文和訳や和文英訳であるならば、学校英語と入試英語は比較的近いものであるため、受験勉強は大学の出題傾向を把握し、傾向に慣れればよく、そのために既習の知識を確認するために文法問題集に取り組んだりすればよいわけです。

1979年に共通一次試験が始まり、各大学でもマークシートを用いた試験が増えていくと、記号で答える問題が主流になります。このことと連動してか、出題される英語の文章が長文化していきました。直感的に見て、「一文一文読んでいては間に合わない」と思えてしまうのは自然な反応でしょう。この一方で、高校英語を取り巻く状況も変わっていきました。

一文一文読んでいては間に合わない、という直感と、学校でも文法とかやっていないし、という状況。これでは受験英語の勉強を始めるのに、どこから手を付けてよいのかわからなくなります。この状況でも英単語集と文法問題集をとりあえずやってみようと思う受験生はいますし、学校で指定されて持たされている高校生もいます。しかしこれらの教材をどのように使ったら、現在の入試問題を解答できるようになるのか、という道筋が見えていない受験生も多いようです。つまり、この半世紀くらいの間で、学校英語と入試英語がものすごくかけ離れてしまい、受験英語って何やったらいいの?という状況に多くの受験生が陥っているわけです

外国語である英語の文章が読めるようになるためにやるべきことは、先ほどお話しした通りで、数十年という短期間で劇的に変わったりしません。英語は日本語とはしくみの違う言語ですから、文法学習によってそのしくみを身につけなければなりません。そうして身につけた知識を使って英文を読む練習をしなければなりません。一文、また一文と、読み込みながら、文章のしくみも学び取っていきます。こうした学習と並行して単語も覚えていかなければなりません。このプロセスは入試の出題傾向の変化とは関係なく経なければならないものです。

これから受験勉強を本格的に開始・再開する受験生には、こうしたことを踏まえ、自分に足りないところがどこなのかを確認しながら進めていくようにしましょう。

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