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英単語学習のこと

今回は英単語をどう覚えるのかというお話です。これは学習者のタイプによってさまざまなやり方が考えられますが、今回は私がお勧めする標準的な方法ということでお話ししたいと思います。

「単語帳」と「単語集」

単語帳と単語集。私の認識では、前者は自分で辞書を引いて語義や用法などを書き込んでいくノートを指し、後者は単語とその語義のリストが載っている本を指していると思っていたのですが、今は前者のノートを作る学習者は少ないようで、市販の英単語リスト本を「単語帳」と呼ぶことが多いようです。

辞書の引き方を学ぶ

まず、英語の文字を覚えたらすぐに辞書の引き方を学ぶべきです。この入門期においては、単語集は不要です。単語集ではなく「単語帳」があると便利です。先ほどお話しした、単語、発音、品詞、語義を書き留めておくノートです。教科書などに出てきた単語で即座に意味がわからなかったものを、出てきた順番に片っ端から単語帳に書き出し、覚えていくようにします。暗記の手段としては、目視、声出し、筆写の3つを実行します。単語をまず何度も目に触れさせることが重要で、さらに声に出して発音し、手で書いていきます。

例文暗記との関係

文レベルの文法の学習が進んでくると、文を覚えることが多くなります。この段階では暗記の作業は文を単位とすることが中心となります。例文の暗記は声出しと筆写が基本ですが、そこに出てきた単語も効果的に覚えていくには、例文をいつでも眺めることができるようにカードに書き出しておくのもひとつの方法です。語彙を記憶に定着させるには高頻度の目視が大切です。

大学受験の学習との関係

大学受験の勉強も中盤まではこんな感じで進めていきます。文章レベルの学習にいたり、精読学習を行う際にも、出てきた単語は覚えていくべきですし、過去問を解く場合も出てきた単語をすべて覚えるようにしていきます。そして、中盤から終盤にかけてようやく単語集の出番が巡ってきます。目にする頻度は高くないがたまに出てくると困る、という単語を単語集で覚えていきます。ただし、この基盤となる語形成の知識については受験勉強の序盤で身につけておくほうがよいでしょう。辞書で引いた単語を頭の中で整理するために必要だからです。

単語集を使うときの注意点

単語集を使うことの問題点は、実際の言語使用から切り離された、まさに「単」語にしか触れられないところにあります。最近では文章を読みながら単語を覚えていくように作られている単語集もありますが、それは英語の文章がある程度読めることが前提となります。多読教材のような学習者に過度の負担をかけないようにした文章ではないので、和訳だけ並置されていても、すらすら読めない学習者には向きません。

読解のために必要な語彙は、読むことによってしか身につきません。それは多読でもよいですし、精読の場合も一度精読した文章を何度も繰り返し読み込むことによって、そこに出てきた単語が定着し、次に別の英文を読んだときにその知識が使えるようになります。

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