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どう「浪人」するのか、または…

2024年の大学入試もおおむね終了しました。まだ公立中期、国公立後期、そして一部の私大が実施する3月入試もありますが、多くの受験生は4月からの「進路」が決まったと思います。

今、「進路」とカギ括弧を付けて書きました。これは浪人などの「進路未定」が決まった、という場合を想定して書いています。大学進入学を目指して受験して、残念ながら合格することができなかった場合、まず1つめの選択として、次年度の入試を目指すのか否かがあります。目指す場合がいわゆる「浪人」です。目指さない場合は、2年後以降の再受験を視野に入れているのか、それとも大学に行かない生き方を考えるのかということも決めていく必要があります。

次年度の再受験を目指す「浪人」の場合、ここから9~10か月の過ごし方が問題になります。昔からある選択肢には全日制の予備校に通って時間割通りに対面の授業を受けるという予備校生になること、そしてすべてを在宅で自学自習で行う、自宅浪人、略して「宅浪」になることです。

予備校生になる最大のメリットは「学校生活」です。決まった時間に予備校に登校し、時間割に従って授業を受け、授業後は自習室で学習する。こうした「拘束」によって受験勉強を進めていくことができます。講師や担任、大学生スタッフやクラスメートといろいろ話せるというコミュニケーションの機会も十分にあります。デメリットは集団授業である以上、自分の学習状況と授業の進行は必ずしも合ってはいないので、そのギャップを自分の努力と工夫で埋めていく必要があります。また、通学に時間と労力を費やしてしまうこともデメリットと言えるでしょう。

一方、宅浪の最大のメリットは時間を自由に使えることです。そして最大のデメリットは時間を自由に使えることです。つまり、宅浪には高度の自律性が求められます。そして、自らの学力や学習状況を客観的に把握するメタ認知の能力も問われます。予備校通学生と宅浪の中間に予備校のオンラインコースの受講があります。これは多くの場合ストリーミングによる映像授業をオンデマンドで受講するもので、布団の中でスマホで受講し、そのまま寝落ちという状況が普通にありえます。このため予備校のオンライン受講は、近くに通える予備校がない場合の選択肢であり、予備校の通学圏にいる人の予備校利用は通学一択と考えてよいでしょう。

オンライン個別指導というものが最近増えてきており、持田も文法能力開発での直営と、2つのオンライン予備校で授業を担当しております。ここに書いていることは大手予備校に出講する講師であると同時にオンライン個別指導講師でもある立場から比較して書いています。オンライン個別指導のメリットは、通学時間が不要であることと、プロの講師が自分の学力や学習状況を把握した上で授業を行ったり学習法を提案することができる点にあります。デメリットは2つ、費用が高くなりがちであることと、孤独になりがちであることです。逆に言えば、この点をクリアできれば非常に有効な選択肢であると言えます。

さらに、文法能力開発のオンライン個別指導を始め、単科のオンライン個別指導というものもあります。予備校への通学とこうした単科のオンライン個別指導を併用することも可能です。

さあ、選択は今です。

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