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非効率?

「英単語を覚えるのに例文ごと覚えるのは非効率だから、英語の単語と日本語の単語を一対一で覚える」「文法問題集を解くときに答えを書き出すのは非効率だから目で見て解けばよい」などと言われることがあります。

いいでしょう。次世代型コミュニケーションにふさわしい学習法です。次世代型コミュニケーションとはなんでしょうか?

「声に出して話すのは非効率だから、にたにた笑ったりして意思を伝える」「文を書いたりタイプしたりするのは非効率なので、謎の記号を書いて相手には悟ってもらう」という従来の言語体系と決別した新しいコミュニケーションのあり方です。

ことばは使わなければ、使えるようになりません。私的な日常会話はともかく、改まった場面での話しことばや書きことばは、文を単位として使います。このため、文を読んだり書いたり、話したり聞いたりすることの積み重ねが、ことばを使いこなすことにつながるのです。

先ほど取り上げた次世代型コミュニケーションが広範囲でできるレベルまでの進化には、残念ながら人類は到達していません。文をやりとりする従来型コミュニケーションのための知識と運用能力を身につけていくしかないのです。

「英単語を覚えるのに例文ごと覚えるのは非効率だから、英語の単語と日本語の単語を一対一で覚える」というのは、すでに身につけている英単語のチェックとしては有効です。「文法問題集を解くときに答えを書き出すのは非効率だから目で見て解けばよい」というのも、英文法が一通り既習で、その定着度をみるのであれば効率的なやり方です。逆に言えば、これから英単語を覚えて語彙を拡充する、これから英文法を本格的に学んでいく、という段階においては、こうしたやり方は、まったく効率的とは言えないのです。

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