単語集で単語を覚える
単語を取り立てて覚えることについて
今回は単語集で単語を覚えることについてのお話です。古文単語の場合は現代語にない語や現代語と意味が異なる語を中心に覚えていくのではじめから暗記すべき範囲が絞られていますが、英単語の場合はそうではありません。ここに単語集で英単語を覚える難しさがあります。
「単語集」という単語について
「単語集」という言い方は「単語帳」と区別するために、この記事では用いています。
単語集の配列について
まず、「出る順」というやっかいな配列があります。単語帳を作る側から見れば、頻出度という根拠に基づいて単語を配列しているのですが、覚える側にとっては何の関連性も感じられない配列です。これを覚えるのを苦痛に感じる人は多いと思います。語彙は何らかの関連性でまとめられたものを覚えていく方が効果的です。テーマ別の単語集はその点で優れていますし、語源で覚える単語集も、語根という共通項でまとめられた単語を覚えていくようになっています。ただし、語源で覚える単語集を使いこなすには語形成の知識を身につけていることが前提となります。
例文について
次に例文の難しさとどう向き合うかです。文法力が十分でないうちから単語帳で単語を覚えようとする人がいますが、それでは例文を理解することができないため、単語集による学習効果を十分に上げることができません。最近ではこうした負担を軽減するために例文を単純化したり最低限のコロケーションで覚えるようにしている単語集もありますが、朧気ながらもどんな文脈でどんな意図で使う語なのかが感じ取れる例文でなければ意味がありません。どうしても英語学習の早い段階で単語集を使いたい場合は、語義と例文だけのリスト型の単語集ではなく、収録語数は少ないですがそれぞれの語の使い方やニュアンスまで解説している読み物型の単語集をお勧めします。
単語集の目的について
基本的には、単語集は、読んだり書いたり、あるいは話したり聞いたりする学習を補完するためのものです。つまり、単語は実際にことばを使う中で覚えていくのが基本で、それを補完するために単語集を活用するわけです。この前提を満たしていれば、頻出単語集で単語を覚えていくのもさほど辛いことではないはずです。大学受験生の中にはこの主従関係が逆転してしまっている人も多いようです。学習を客観的に捉え修正する、というのはこういうところにも言えるのです。
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