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英文法授業の「闇」

今回は大学受験に関係するお話ですが、学習法とはちょっと違ったお話をします。ちょっと思うところがありますので、そのことを述べていきたいと思います。

今回のお話を先にまとめてしまうと、受験勉強が順調に進むかどうかは必ずしも受験生本人の問題とはいいきれないということです。先日予備校である生徒と話していて、文法の授業が10分しか行われていないということを聞きました。所定の授業時間の2割しか授業に費やされていないのです。この授業ではテキストの問題に1行解説を施したものをプリントとして配るだけで、市販の文法問題集の劣化版を手作りするだけで終わるようです。

以前にも何度か述べたことですが、丸暗記を続けているだけでもその過程で英語のしくみに気づいて英語を自由に使いこなせるようになる人も一定の割合で存在します。上記のような授業でも少数ながら成果を上げる生徒がいるはずです。その成功体験を一般化して講師が熱く語れば「この学習法でいける!」と感じる生徒もいると思います。しかし、多くの学習者には丸暗記から何かに気づくようなセンスを持ち合わせてはいないのです。そういう人は高校で小テスト漬けにされれば現役で大学に合格し浪人はしないのです。

このように考えれば予備校の文法授業は生徒に文法のしくみに気づかせ、文法知識を理解してもらうものでなければならないはずです。これもいつも述べていることですが、母語である日本語とは大きく異なるしくみを持つ英語を、日本語だけで生活できる環境で学ぶのですから、英語に対して直感的なセンスがいきなり働くことは多くの学習者にとってあり得ないのです。しかも大学受験浪人というのは数か月で英語の基礎を固めていかなければならないのですから、短期間で成果を上げる方法を実践しなければならないのです。

しかし残念ながら、予備校にもしっかりと文法を学べる環境がないことが多いのです。持田がnoteで提案している学習法にしても独習よりも授業を受けるほうが効果的なものがあります。それにもかかわらず、文法授業の重要性が認識されていないのかわかりませんが、なかなか学習効果の高い文法授業を受ける機会に恵まれない受験生も多いようです。

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