![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/146469000/rectangle_large_type_2_357cd673ee62b167085e7a1bfacaa8a8.png?width=1200)
ぼくたちの方法ーBASEのビジョンについて
こんにちは!
BASEスタッフのHARUです。
今回はフリースクールBASEの料金プラン「変動性コース」の新設にともない、今後のBASEの目指すビジョンについて、今一度皆さまと共有させていただければと思います。
なお、「変動性コース」の詳細につきましては公式Instagramの投稿をご参照ください。
少し堅苦しい内容になるかもしれませんが、これからのBASEの活動を皆さまにご理解いただくためにも、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
それでは、最後までよろしくお願いいたします。
インクルージョン
以前の記事でも記述させていただきました通り、私はフリースクールBASEというものを「こどもたちに発見の機会を提供する環境」と定義して運営を行わせていただいております。
では、この「こどもたちに発見の機会を提供する環境」を形成していくにあたり、どのような方法がBASEとしてあり得るか。
これについて、私はインクルージョンという考え方を念頭に置いています。
ご存知の方も多いかと存じますが、インクルージョンとは社会的包摂とも訳され、地域社会に帰属する市民を一人も孤立させることなく、網羅的に補完しながらコミュニティを形成していく考え方を示しています。
これを現代の教育に当てはめて考えるなら、義務教育の中枢に位置する学校に通っていないこどもたちのため、社会にはその代替的な環境をつくりだす必要が生じます。
そしておそらくこの必要性の回収こそが、私はフリースクールをはじめその他オルタナティブな学習機関が担っている第一義的な役割ではないかと考えています。
それではBASEの目指すビジョンとは、その学校に通っていないこどもたちの代替的な居場所としての役割を果たしていくことなのかと訊かれれば、私たちOWNERSはフリースクールBASEにもう少し大きな可能性を見ています。
2つの視点
先日、BASEに2度目のご来校をいただけた野々市市議員の中村せせらぎ様から伺えたお話によれば、2024年現在、野々市市内だけでも150人以上の小・中学生児童が、フリースクール・教育センターなどを含めた通所施設へのご利用のないまま、いわゆるアウトリーチがなされていない状態で、日中からご自宅で過ごされているとのことでした。
むろんどのようなタイミングでどのような支援を受けるかについては児童当人やご家族の決するところであり、その数字を直裁に支援が必要な児童数と解釈するつもりは全くございませんが、前述したインクルージョンの視点からすると、学校で居場所を見つけられずに悩んでいる児童がその中に相当数いることは十分に推測できる事実でもあります。
この、学校で居場所を見つけられずに悩んでいるこどもたちに居場所を提供すること。
それはフリースクールBASEの果たすべき一つ目の役割だと言えます。
そして私にはもう一つの視点として、今学校に通えているこどもたちの全てが、本当にそこで十分な居場所を見出すことができているのだろうか、という疑問があります。
一見なんの問題もなく学校に通えているように見える子でも、ご家族や身近な友人には言えない悩みを抱えていることは珍しくありません。
そんな悩みを抱えている子が、必然的に属さなくてはならないコミュニティとして学校に登校できているからといって、それは地域社会にとって最適なインクルージョンが為されていることを意味するのだろうか?
私は実はその子たちこそが、潜在的に居場所が必要な児童として、フリースクールBASEが特に目を向けるべき存在であると考えています。
第3の居場所
ところで、前記した二つの視点から見出せる事実にはどのようなものがあるでしょう。
私はおそらくその答えの一つに、『こどもたちの登校の有無は居場所の有無と一致していない』という事実があると思います。
学校に通えているかどうかの基準と、こどもたちにとって十分な居場所があるかどうかの基準とは、本質的に全く異なるものであるはずだと私は思います。
教育の業界では「こどもたちにとって学校に行くことだけが大切なのではない」という言葉がよく聞かれますが、私も子どもたちの成長にとって本当に大切なことは、自分が安心して過ごせる居場所を見つけられることだと思っています。
例えば普段は学校に通えていない子でも、学習塾やスポーツクラブなど、同じく社会性が必要であるはずの習い事には抵抗なく通えている子は少なくありません。
それはそれらの環境が学校とは異なり、こどもたちにとって安心して通うことのできる居場所としての役割を果たしているからだと言えるのではないでしょうか。
私はフリースクールBASEのこれからのビジョンとして、登校/不登校の是非に関わらず、居場所が必要な全てのこどもたちに向け、家でも学校でもない「第3の居場所」を提供することを目指していくつもりです。
最後に
2024年7月現在、ブログや公式Instagram等でも告知しておりますように、フリースクールBASEは学外から多くの方々にご来校いただいたり、逆に様々な方々へとこちらからご挨拶に伺っております。
貴重なお時間をいただけた方々のほんの一例として、今後ご挨拶させていただく予定の方々も含め、学校機関としては館野小学校、富陽小学校、御園小学校、西南部中学校、松任中学校、布水中学校より、それぞれ校長先生やBASE生の担任の先生とお話する機会をいただくことができ、フリースクールBASEの取り組みについてご紹介させていただいております。
また行政機関としては石川県児童相談所、野々市教育センター、野々市教育委員会、野々市市障害者基幹相談支援センター、野々市市社会福祉協議会のご担当者の方々の他、先に挙げた野々市市議員の中村様をはじめ、石川県内の地方議員の方々にも同様にお声掛けを行い、BASEの活動についてご紹介する機会をいただいております。
このような取り組みの背景には、フリースクールBASE創業者としての私やZUMAの顔や想いが学校の外からでも見えるような形で、前述したインクルージョンの役割を担ってまいりたいという意図がございます。
また、こうして風通しの良い環境を構築することは、現在BASEに在籍しているこどもたちが学外の大人と触れ合う機会にも繋がっており、ご来校いただけた方々から生徒が良い刺激を受けている姿を実際に目にすることも確かにございます。
今後もフリースクールBASEではこうした取り組みを続け、行政・民間問わずに地域の方々と連携することで、地域社会が一丸となってこどもたちの居場所づくりを行っていけるよう、誠心誠意努力してまいります。
当ブログ記事をご覧の皆さまも、どうかフリースクールBASEのこうした取り組みについてご理解いただき、私たちの活動に何卒ご助力を賜れますよう、心よりお願い申し上げます。
末筆ではございますが、前述した諸機関の皆さまをはじめ、ご厚意を賜りながらも記事文脈の都合上今回は挙げることのできなかった、BASEの取り組みにお力添えいただいている数多くの方々に向け、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
今後とも、フリースクールBASEをよろしくお願いいたします。
合同会社OWNERS副代表
深瀬 陽
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?