見出し画像

M-1グランプリ敗者復活戦のネタ順と成績の関係を調べました

 先ほどM-1グランプリの敗者復活戦ネタ順決めをやっていました。この手の大会でよく見られるのが早い順番を嫌がる光景でして、今回もそれが見られました。と同時に、日が暮れて寒くなる前にネタをできるから早いほうがいいのでは、という寒空の下でやる大会特有の事情をポジティブとらえる方もいらっしゃいました。

 実際のところどうなのでしょう。ネタ順と実際の順位に関係はあるのでしょうか。簡単に調べられそうなので、ササッとやってみました。いわゆる相関関係を調べるというやつですね。

 とりあえず、ネタ順と順位を見た目で分かりやすく示してみました。早速、2015年から2021年までのM-1敗者復活戦のネタ順と順位を散布図にしてみました。まずは年代順にやってみます。

 まず2015年の散布図は以下の通りです。

 横軸がネタ順、縦軸が順位です。つまり、点が左にあるほどネタ順が早く、点が下にあるほど順位が良かったということになります。

 これを見ると、確かにネタ順が遅いほど良い成績を出しているように見えます。本当にそうかは相関係数を求めることになります。上記の散布図の相関係数は「-0.4752」(小数点第5位を四捨五入)となります。この数字はどんな感じなんでしょう?

 以下のページを参考に確認してみます。

 大事なところは以下の部分ですね。

−1≤r≤−0.7 強い負の相関
−0.7≤r≤−0.4 負の相関
−0.4≤r≤−0.2 弱い負の相関
−0.2≤r≤0.2 ほとんど相関がない
0.2≤r≤0.4 弱い正の相関
0.4≤r≤0.7 正の相関
0.7≤r≤1 強い正の相関

 つまり「-0.47518」は「弱い負の相関」があると考えられます。言い換えれば、「ネタ順が遅いほど、何となくいい成績を収めやすくなる」くらいな感じでしょうか。少なくとも2015年の結果ではそういう傾向があったと言えます。

 ドンドンやっていきましょう。2016年の散布図は以下の通りです。

 2015年と似たような傾向が見えそうですね。相関係数は「-0.5356」と、2015年よりもネタ順の遅い組が良い成績を収めている傾向が強まりました。

 2017年の散布図は次の通りです。

 なんか更に遅い順番がいい成績を残している傾向が強まっているように見えますね。それもそのはずで、相関係数は「-0.7108」と、いよいよ「弱い相関」ではなくなりました。2017年の敗者復活戦はそういう大会だったわけです。

 しかし、2018年の散布図は様子が一変します。

 なんか傾向が読めなくなりました。それもそのはずで、相関係数は「-0.2147」です。相関が弱いどころか「ほとんど相関がない」にグッと近づきました。

 では2019年の散布図はどうでしょう。

 これまた傾向が見えません。相関係数は「0.1147」です。なんとプラスになってしまいましたが、「ほとんど相関がない」の範囲内です。つまり、順番と成績に関係が見られない結果となった。それが2019年の敗者復活戦でした。

 続いて2020年です。

 これも微妙な感じです。相関係数は「-0.0107」です。相関係数は0に近いほど相関がないため、この年は特にネタ順と成績に関係がなかったと言えます。

 さて、2021年です。こちらの散布図はどうでしょう。

 もう感想も出てきません。こちらも相関なしっぽい感じに見えますね。それもそのはず、相関係数は「-0.1765」で「ほとんど相関がない」になりました。

 つまり、敗者復活戦は2018年辺りからなぜかネタ順と成績に関係がなくなってきたことになります。一体どういう変化があったのでしょう。今のところ、理由は全く想像つきません。強いてあげられる変化があるとすれば、出場組数が数組減ったことくらいです。これが原因なのか、判別は難しいでしょう。

 では、最後に2015年から2021年までの敗者復活戦データをまとめてみましょう。散布図はこんな感じになりました。

 これだけ見るとやっぱり何となく傾向が見える気がします。実際にそうで、相関係数は「-0.3146」と弱い相関があります。近年はネタ順と成績に相関がなくなっていますが、今年になっていきなり相関が出る可能性もあるため、いずれにしろどうなるかは神のみぞ知る話です。ただ、2015~2021年の敗者復活戦はそういう傾向があったというのは事実です。

 今回はこんなところです。ではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?