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題名読書感想文:06 音楽もまた運動である

 音楽にもいろいろございますけれども、どっちかというと優雅なイメージだと思うんです。運動部か文化部かで言ったら、必ず文化部に属していますし。少なくとも運動みたいに身体をバリバリ動かすようなイメージが希薄です。

 でも、歌うにしたって演奏するにしたって身体を使います。だから、演奏をする上での身体の動かし方について書かれた本があるようで、その内容が前面に押し出されたタイトルになっているものもございます。しかし、音楽の優雅なイメージのせいか、なんか不思議な感じがするんです。例えば、「ピアニストの筋肉と奏法」です。

 ピアノを弾くのだって身体を使うのはみんな分かってる話なんです。それでも、偏見にまみれた私の目には、「筋肉」に意外性を感じてしまう。

 よく調べてみると、主に演奏方面で、身体の使い方に重点を置いたであろう書籍がございまして、それがタイトルに不思議な影響を及ぼしているものもありました。例えば、「ピアニストのためのヨガ入門」です。

 ピアノもヨガも知っている人は多いかと存じますが、それを混ぜてやろうと考える方はまずいらっしゃらないと思うんです。私もこの本を見つけるまでは、ピアノとヨガを混ぜる発想が浮かびませんでした。しかも、この本の場合は「ピアニストのためのヨガ」というわけで、ピアニストに特化したヨガを扱っています。

 仮に、ピアニストに絞ってヨガ教室を開くとなると、かなり無謀な挑戦にも思えますけどどうなのでしょう。ただし、ターゲットを集中させた方が安定した商売になるパターンもありますから、ピアニストだけを対象にしたヨガはそれなのかもしれません。

 いや、私が知らないだけで、ピアニストは意外といらっしゃるのかもしれません。だから、こんな本も出ているのだと思います。「よくわかるピアニスト呼吸法」です。

 音楽で呼吸なんて、歌う時か、もしくは吹くタイプの楽器でしか意識しなくていいのかと思っていましたが、それは素人の浅はかな考えなのでしょう。ピアノを弾くのだって呼吸を意識して当然だ。そんな主張が上記の本からうかがえます。

 呼吸法だけではありません。ピアノの演奏は力任せでどうにかなるわけではない。時には力を抜くことも必要だ。そんな信条が見え隠れするタイトルが「ピアノ脱力法」です。

 ピアノの脱力には流派が存在するのか、もう1冊「大人の“ピアノ脱力習得法”」という本もございました。

 これも「力を抜く」ということに重点を置いた、演奏の上での身体の使い方について書かれているものと考えられます。

 ピアノだとこんなものもありました。「ピアノ骨体操ほねたいそう」です。

 「ヴァイオリン骨体操」も存在しています。

 これまでは、曲がりなりにも知っているものが演奏と組み合わさっていましたが、骨体操という知らない体操が出て参りました。名前的に骨を使うことだけは想像できます。

 調べたら、骨体操の名を冠した書籍が1冊だけ出て参りました。

 著者が同じなため、この骨体操で間違いなさそうです。この書籍が出版されたのは2004年、一方の「ヴァイオリン骨体操」は2017年、「ピアノ骨体操」は2018年です。13年の時を経て、骨体操が音楽方面へ進出したわけですね。世の中、いろんなところでいろんなものが動いています。

 最後はこちら、「作曲エクササイズ」です。

 この場合の「エクササイズ」はトレーニング的な意味合いで用いられているのだと思います。しかし、この題名ですと、作曲する時の身体の使い方を書いた本、または、作曲しながら身体を動かす斬新な運動法について書かれた本にも読める。いずれにしろ、個人的には面白い題名なので全く問題ありません。

 こう考えると、音楽と運動は一般的なイメージと異なり、かなり密接な関係にあるのかもしれません。唯一、音楽をじっくりやった人たちだけが、その関係に気づいているのでしょう。すいません、最後に適当なことを書きました。

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