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マンション管理士と賃貸不動産経営管理士

 職場の先輩とデカい書店に立ち寄った時です。何しろデカい書店なので、いろんなジャンルの本が大量にあります。例えば、資格の棚にはもう多彩な資格の問題集やら参考書やらが集まっている。資格の本を探しに来たはずなのに、途方に暮れてしまう規模でした。

 しょうがないのでいろんな資格の本を見て回りながら目当ての本を探していますと、先輩がいきなりマンション管理士の問題集を手に取ってこう言いました。

「『マン管』ってやらしくない?」

 マンション管理士、略してマン管です。マン管の何がやらしいのか詳しい説明は割愛します、と書いたところで、日本語がある程度以上理解できる大人は先輩の言った意味が理解できていることと存じます。その先輩はツッコミをすると喜ぶいい人だったので、私が即座に「何言ってんすか」と答えると嬉しそうにしていました。

 それから7年くらいの月日が流れ、先輩は退職してしまいました。何でも独立し、今では個人事業主としてボチボチやっているそうです。

 同じプロジェクトをがんばってきた先輩でも、職場が変わった途端、疎遠になるものです。先輩と飲んだり、買い物に付き合っていた日々は、先輩の退職と共になくなってしまいました。例のデカい書店は未だにデカい書店のままですが、今ではひとりで本を探しに訪れる場所となっています。

 久々に資格の棚を見ますと、相変わらず資格の本であふれています。何なら書店で初めて知る資格だってあります。例えば、最近になって見つけたのは賃貸不動産経営管理士です。長い名前ですが、お陰で資格の内容が何となく察せるようになってますね。テキストを見てると、こんな略称が目に入りました。「賃管」。なんて読むのか、聡明な皆様にはもちろん説明不要でしょう。

 マン管だけでなく賃管もあるなんて、先輩が聞いたらさぞかし喜んだことでしょう。ただし、賃貸不動産経営管理士は資格としては歴史が浅く、賃管の略称も根付いているとは言い難い状況のようです。

 先輩の耳に届いてほしい。ただそれだけの理由で、賃管の略称が世間に根付くことを私は願っています。

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