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この世は芸術作品に覆い尽くされるかもしれない

 墓地が不足するという記事を見ました。全世界の人口は増え続け、誰もがいずれお墓に入る。土地、足りなくなるじゃん。ということのようです。

 確かに、人が増えればそういう問題が現れてくるのでしょう。それに関連して私、気になっている事柄があります。

 古来より人は多くの芸術作品を生み出してきました。絵画、彫刻、建築、音楽、文学、などなど。中には数千年にわたって人々に親しまれてきたものもございます。

 当然、こうしている今だって誰かが芸術作品を生み出している。しかも、現在が恐らく最も人類の多い時代です。芸術作品が生み出されるペースも過去最大でしょう。著名な作家だってたくさん出ているに違いない。

 作品やそれに関する資料は美術館や文学館のような施設に収容されがちです。何しろ過去最大のペースで傑作が生み出される世の中ですから、施設の数も徐々に増えていると考えられます。実際にネットで美術館や文学館の一覧を検索すると国内だけでも結構な数が出てきます。

 ということは、そのうち地上は美術館や文学館のような芸術系施設に埋め尽くされてしまうのです。外に出ればあっちは美術館、こっちは文学館。未来の我々はどこで暮らせばいいのですか。

 いや、そんなわけはない。落ち着いて考えてみれば、現在では樹木葬や納骨堂など墓地を必要としない埋葬法が広がっていますし、お墓を更地に戻す「墓じまい」をやる人も増えているそうじゃないですか。つまり、お墓を減らす動きもある。

 ですから、芸術作品だって出来上がったものが延々と残り続けるわけでなく、何らかの形で失われる場合もあるのです。そもそも住処を犠牲にしてまで芸術系施設を建てる人なんて、相当特殊な人類です。

 自分の家がこいつらに潰されるかもしれない、と不安にならず芸術作品を鑑賞できる日々が続きそうです。よかったよかった。

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