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歴史にも歴史があったんです

 どんなものでもこの世に存在し続けていれば、歴史が全自動で積み重なっているんです。歴史が積み重なっていると、しばしば歴史を振り返る人が現れる。何なら振り返りガチ勢だって現れる場合がございまして、いわゆる歴史学者と呼ばれる方々がその最たるものでございます。

 歴史と言えば日本史と世界史だと思っていたんです。学校で習う歴史はその2ジャンルだったので。しかし、それは相当ザックリとした区分けで、実際の歴史学はもっと細分化されていると、だいぶ後になって知りました。世の中には、本当に様々な歴史をガチで振り返っている方々がいらっしゃるんです。特定の時代だけ徹底的に掘り下げている方もいらっしゃいますし、特定のものの歴史をひたすら振り返っている方もいらっしゃる。

 世の中にはたくさんの学問がありますけれども、その学問の数だけ歴史があるんです。例えば、科学史です。文字通り科学の歴史を調べに調べまくる学問でございまして、科学史の専門家は科学史家なんて呼ばれ方をします。普段なかなか耳にしない職業ですから、日本にあまりいらっしゃらないのかと思いきや、ウィキペディアのカテゴリー「日本の科学史家」を見ると、結構な人数いらっしゃるのが見て取れます。ただ知らなかっただけでございました。

 先ほども書きました通り、学問の数だけ歴史がございます。あらゆる学問に歴史がある。経済の歴史を振り返るのは経済史でございますけれども、経済学の歴史を振り返るパターンも当然ながらありまして、こちらは経済史と呼ばれています。他にも、数学史とか哲学史とか、本当に様々な学問の歴史が存在し、研究している方がいらっしゃる。

 そこでふと思ったんです。歴史の学問は史学なんて呼ばれます。では、「史学史」はあるでしょうか。

 調べたらありました。もちろん、歴史学の歴史を調べる学問です。

 「歴史を振り返る歴史」を振り返る学問とも言えます。ややこしい説明になってしまいましたが、世の中には膨大な種類の歴史が存在しておりますし、調査方法は時代や場所によって異なってくるでしょう。調べなければならない対象は膨大です。こうしている間にも歴史は積み重なっているのですから、史学史研究の終わりはないと言っていいでしょう。

 さて、そうなると当然ながら疑問に思うはずです。史学史の歴史を研究する「史学史学史」は存在するのか。「史学史学史学史」は。はたまた「史学史学史学史学史」はどうか。

 軽く調べたところでは、現代では「史学史」がせいぜいで、「史学史学史」さえ学問として存在していないようです。しかし、どんなものでもこの世に存在し続けていれば、歴史が全自動で積み重なっているんです。「史学史」の歴史が積み重なって「史学史学史」が生まれる日もそう遠くないのかもしれません。

 とりあえず、史学史があると知っただけでも十二分に驚きではございました。

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