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ジョギング記憶喪失リメイク
週に数回のペースでジョギングをしているんですが、走ってる時にnoteで書くことを思いつく時があるんです。場合によっては「これnoteで書いたらいいんじゃないか」という状況に遭遇することもある。
さすがにメモ帳もスマホも持っていませんから、思いついたことを頭の中で繰り返しながら走り、どうにか自宅までアイデアの記憶を持ち帰ってるんですが、もとが忘れやすい人間でして、散歩中の犬に吠えられたりするともうポカンと忘れてしまう。一度忘れた記憶を思い出す難しさは誰もが経験していることでしょう。
当時は四六時中マスクをする生活に誰もが慣れていない頃でした。私もマスクをつけてジョギングをしておりましたが、「ヤバい人間に見られないかな」とおっかなびっくりでした。そんな状況でも、書きたいことは思いつくんです。当時はnoteをやっておらず、ブログをボチボチ更新していたんですが、そのブログに書いてやろうというネタがジョギングの序盤で思いついた。
しかし、ダラダラ走っている間に何を思いついたのかスッカリ忘れてしまったんです。走る時に思いつくネタなんて大概ちょっとしたことなんですが、忘れたら忘れたで思い出さないとなんか気持ち悪い。帰宅してシャワーを浴びている時も食事をしている時も、何なら夜に布団へ入った時まで、何を思いついたのか気になって仕方がない。ジョギングコースの景色を思い返していると記憶の尻尾を掴めそうな気がするんですが、パッと手を伸ばすと指の間をスルリと抜けるんです。私、躍起になりすぎて、真っ暗な部屋で布団にもぐりながら頭の中でジョギングコースを5周もしてしまいました。
えらいもんで、次の日もネタを忘れたことは忘れないんです。仕事中でも、ふとした瞬間に「ジョギングで何を思いついたんだっけ」と考え込む。でも、やっぱり思い出せない。もやもやしたまま終業時刻になりまして、もやもやしたまま駅に向かって歩いていると、道の隅でマスクを顎まで下ろして煙草を吸ってる人がいたんです。それで何を忘れていたのか思い出したんです。
それは慣れないマスク姿でジョギングをしていた時に見かけたんです。川沿いの細い道を走っていると、向こうからひとりの女性が歩いてくるのが見えました。このご時世にマスクを顎まで下ろしたままだったんですが、理由はすぐに分かりました。チュッパチャップスのような、棒がついたキャンディーをなめてたんです。普通のキャンディーならマスクをつけたままでもなめられますが、棒つきとなるとそうはいきません。仕方のない話です。特に咳き込んでいるわけでもありませんでしたので、まあ大丈夫だろうと思って女性のそばをすれ違おうとしました。すると、女性もまた向かいから走って来る私の存在に気づいたんです。
彼女もまたマスクが必要な状況に慣れていなかったのでしょう。向こうから人が来るのに自分はマスクをしていないと気づいた女性は慌てた様子で顎のマスクを口元まで上げたんです。しかし、棒つきキャンディーは加えたまま。当然、マスクはキャンディーの棒のせいでとんがった形になりました。はっきり言ってクチバシです。激しく質の悪いドナルドダックのコスプレをしているかのようでした。
それを見て私は思ったんです。「ああ、これはネタになる」と。確かに、ブログでちょっといじるにはちょうどいい光景だったのかもしれませんが、2日にわたって必死に思い出すだけの価値があるかと言うと非常に疑問です。代わりに別のネタを考えた方が、まだ有意義な時間の使い方ではなかったのかと。
悔しいのでブログには忘れたことも含めてネタにしましたし、貧乏性なのでこうやってリメイクをnoteにも載せてみた次第です。
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