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浜田副学寮長で何を宣伝するのか

 トラック広告というものがあります。トラックの荷台部分に宣伝したいものの絵なり映像なりを載せ、音声も流しながらその辺を走り回るというものです。主に道路脇にいる人に向けた広告なのでしょう。どれだけの効果があるのかは分かりませんが、繁華街では結構走り回ってますし、そばを走られるとまあ目につきます。広告としては有効なのだと思います。

 先日もそんなトラック広告を見かけたんです。最初は「また走ってんな」と思いながら信号待ちをしていたんですが、初めて見る広告なのに妙な既視感があるんです。明らかに昔の写真を引き伸ばした荒い画像。そこに写っているのは坊主の少年で、表情はほんとんど無に等しいんですが、自ら感情を握り潰しているようにも見える。

 「どこかで見たな」と思っている間に、感情を押し殺した坊主頭の画像が目の前を通り過ぎていく。その瞬間に思い出しました。高校時代のダウンタウン浜田雅功さんです。「浜田 日生学園」で検索すると同じ写真が出てきます。

 そうと分かるといろんな関連情報が思い起こされます。日生学園は当時、不良とみなされた少年を山奥で寮生活させる学校だったこと。生徒は早朝から叩き起こされ、素手でトイレ掃除をさせるような超絶スパルタ高校だったこと。外界と遮断されているため、生徒は髪を切る時に敷かれた新聞紙で世間の情報を収集していたこと。ことあるごとに教師が学生をボコる教育風土だったのもあり、脱走する生徒が日常的にいたこと。浜田さんはそこで副学寮長として頑張っていたこと。噂では、浜田さんの音が大きい割に痛くない暴力、もとい、ツッコミは日生学園で手に入れた能力だということ。その後、教職員や生徒の暴力が問題になったこともあり、現在は普通の学校になっているということ。調べなくてもこの程度の情報は簡単に出てきます。

 同じものを見ても、どう思うかは本当に人それぞれです。何気なくぼんやり見ているだけの人もいれば、様々な思い出が蘇る人もいるし、世紀の大発見をする人もいる。副学寮長時代の浜田さんを見ても「誰だこれ」で終わる人もいれば、「誰かに似てんな」と気にする人もいますし、「あっ、副学寮長時代の浜田さんだ」と気づく人もいる。そして、様々な関連情報が芋づる式に湧きだす人がいる。

 浜田さんと、それから同じ高校出身の今田耕司さんがいろんなところで繰り返しネタにしたりされたりしてきたため、お笑いやバラエティ番組が好きな人は当時の日生学園のエピソードが頭に溜まっているんだなあと痛感しました。ただ、何の役に立つのかと聞かれれば「何だろう」と返すしかありません。

 というか、副学寮長浜田さんの画像を繁華街で引きずり回して何の宣伝をしていたんでしょうか。スパルタ時代の日生学園はもう散々いじられてきましたし、ダウンタウンの浜田さんと言えば名前を宣伝する必要がないほど有名です。きっと副学寮長浜田さんの画像を使って何かの宣伝をしていたんでしょうが、副学寮長浜田さんの画像じゃなきゃ宣伝できないものってこの世に存在するんでしょうか。ちゃんと広告を見ていればそんな疑問を抱かずに済んだんですが、浜田副学寮長の顔ばかり見ていて何の広告か綺麗に見逃していたんです。

 書いててモヤモヤしてきたので、今田耕司さんが日生学園について語っている動画を見て気を落ち着けたいと思います。皆様もよろしければどうぞ。

2023年2月13日追記
 どうやら私が見たのは「Japan’s Got Talent」の広告だったようで、高須光聖さんのツイッターにトラック広告の画像が載っていました。

 コメント欄にてしのぶのさんより教えていただきました。ありがとうございました。

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