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久しぶりの古本屋・本が好きな話/その3

数年ぶりに古書店に訪問した時の話。
新刊書店には月一程度訪問するが、古書店、しかも専門書に強いお店は本当に数年ぶりとなる。

書店は子供の頃から好きな場所の一つである。図書室育ち、図書館通いに、当時はコンビニでも立ち読みに寛容だったので近所のローソンなどに入りびたっていた小学校時代。
その後、お小遣いが増えてきてからは、ブックオフを代表として古本屋に足を運ぶ機会がいっきに増えた。その結果、部屋の床が一気に埋まってしまうこととなった。
積読が増えたけれども、本棚が埋まり色とりどりの背表紙が並んでいる絵は壮観だったので良い思い出としている。片付けろとは叱られもしたが、今となっては贅沢な空間だったんだなと思う。

そうして社会人になってからは足が遠のいていたが、古書店は店の前を通りすぎる度には入っていた。特に目的もなくふらふらと入ってしまうのは昔ながらの習慣だろうか。
その時々のマイブームに従って棚を見て歩く。過去には怪談、ホラー幻想。最近は陶磁器や食文化について。今回は日本の銘陶磁器の図録を数百円で入手。また、20年前に発行されたグルメ本で、世界の希少酒を日本で味わえるお店紹介といった内容で、ヤシの花酒や、果実の蒸留酒などと共にその国の料理の専門店も案内されていた。ほとんど東京なのと、20年も前なので現存しているかは不明だが、酒販店でも銘酒カタログにも載らないボトルを眺め楽しめる一冊だった。

最近はスマートフォンで古書の相場を瞬時に調べられるので、目の前の一冊より安価に購入できるかを考えるクセが付いてしまった。昔は、古書との出会いは一期一会を逃さないように、ひらめきと共に即時購入していたものだが。そういう楽しみ方が遠のいた気もする。
今回の収穫は調査を含めても安価で満足のいく内容だった。

久しぶりの古書店は時間を忘れてうろうろしがちなので、家族と同行するとどうしても「待たせる側」になってしまい、どうしても気忙しく棚をみることとなる。その分、ターゲットを絞り短時間で判断することが必要になるので、己の直観に任せた買い方になるのは仕方ない。予算がある分勢い冊数が多くなってしまうのも、仕方ないだろう。

ともあれ、久しぶりの古書店巡りで楽しさを思い出した。また今度、時間を見つけて一人訪ねてみようと思う。専門書の多い大学近くが狙い目か。

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