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【第34回】ポール・バターフィールド・ブルース・バンド

以前UKのブルース・ロック・バンドとして「ジョン・メイオールとブルース・ブレイカーズおよびエリック・クラプトン」について書かせていただいたけれど、それと双璧をなすUSのブルース・ロック・バンドと言えるのが「ポール・バターフィールド・ブルース・バンド」である。なので個人的にはメイオールさんとバターフィールドさんはセットで聴くのが粋なんじゃないかと考えている。
バターフィールドさんはホワイト・ブルースの草分け的な存在と言われていて、そもそもホワイト・ブルースってなんじゃらほいと思うけれど、私の解釈ではブルースの影響を受けた白人が演るブルースということにしている。ただこのLP「ポール・バターフィールド・ブルース・バンド」ではリズム隊は黒人の方が担当しているようで、黒人のリズムに白人の解釈のブルースをのせるって、なんかおもしろい化学反応が起きそうだよねって思う。
で、化学反応が起きているかどうかはわからないけれども、実際聴いてみるとこれがまぁとってもカッコよい。これぞブルース・ロックというようなエネルギッシュで泥臭い演奏が聴ける。そして「リトル・ウォルター」の「ブルース・ウィズ・ア・フィーリング」「ラスト・ナイト」や「マディ・ウォーターズ」の「モージョー・ワーキン」、「ジュニア・ウェルズ」も演っていた「ヤンダー・ウォール」など、私の耳に馴染みのある曲をカッコよいアレンジで演っているのもお気に入りのポイントだ。
ちなみにこのバンドのリード・ギターは「マイク・ブルームフィールド」という人(バターフィールドと名前が少し似ている!)で、結構有名なギタリストらしい。ブルースブレイカーズのときはクラプトンのギターが主役って感じがしたけれども、このLPではそんな感じはなくて、とてもバランスが取れている感じがした。ただこの人も、この後もう一枚LPを作って程なくこのバンドを離れてしまっているらしい。このへんもブルースブレイカーズと似ているので、やはりメイオールさんとバターフィールドさんはセットで聴くのが粋である。
私なんかは今までロックを聴いてきて、最近になってブルースを聴くようになったブルース初心者であるが、このLPはとても聴きやすく感じたので、ブルースに興味を持った方の入門編としては絶好のLPではなかろうかと思う。
最後にジャケットについてだけれども、無骨な男5人が暑苦しい感じで横に並んでいる。注目すべきは帯の方になる。「この音に憧れて、僕たちは髪を伸ばし始めた!」と書いてあるんだけれど、ジャケットに写る5人にロン毛は一人もいないのである。ブルース・ロックと言えばロン毛というイメージも特にはないし、何に憧れてロン毛にしたのかは気になるところである。「この音に憧れて、僕たちは白のランニングとジーパン(ジャケットの真ん中の人)にした!」ならわかるんだけどね。

ブルースの
音に憧れ
髪伸ばす?

季語はブルース。

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