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【第36回】B・B・キング/シンギン・ザ・ブルース

ライブ盤の名盤である「ライブ・アット・ザ・リーガル」を聴いて、とても親しみやすそうなブルースおじさんという印象を受けた、「おっさん・オブ・ザ・ブルース」こと「B・B・キング」である。今回はスタジオ盤を聴いてみた。
この「シンギン・ザ・ブルース」は彼の初期代表作を集めたデビューLPということで、「ライブ・アット・ザ・リーガル」でも演っていた曲もいくつか収録されている。そして当然のことながらあの2回にわたるおもしろ司会者は出てこないし、お客さんとの掛け合いのようなMCもないので、純粋に曲だけを楽しむLPである。
中身はB・B・キングらしい明るくてノリの良い曲や、とても甘いバラードの曲、そして「ライブ・アット・ザ・リーガル」のときにも紹介したクイズ番組のシンキング・タイムで流れそうな愉快な曲「ウォーク・アップ・ディス・モーニン」も収録されていて、いろんな曲を楽しめる聴き応えのあるLPになっていると思う。
ライブ盤に比べると音のバランスが良いので、そのせいかギターの音が「ライブ・アット・ザ・リーガル」のときよりもよく聴こえる気がする。それで気づいたんだけど、この人って歌っているときはほとんどギターを弾かないのね。前奏のときと間奏のときと曲終わりにフレーズを弾いて、後歌の合間合間にチョロロ〜ンって弾く感じ。このチョロロ〜ンって弾く感じがちょっと可愛い。
「ライブ・アット・ザ・リーガル」もオススメではあるけれど、私にはこの「シンギン・ザ・ブルース」もかなり聴きやすかったので、ライブ盤に抵抗があるという方には、このLPから入るのが良いのではないかと思う。B・B・キングの楽しい雰囲気は十分伝わってくるしね。
と、ここまでいろいろ書いてきてなんですけれど、実は私はアーバン・ブルースというのか、ジャズ寄りのブルースというのか、ホーン・セクションの入っているようなブルースがあまり好みではない。B・B・キングも例外ではなく、実はあまり好きな部類には入らないブルースマンなのだ。私はマディ・ウォーターズのような泥臭い雰囲気のあるブルースマンが好きなのである。
じゃあその人のLPは1枚聴けば十分なんじゃないかとも考えるわけだが、そこはそうはいかないのが不思議だ。特にB・B・キングくらいのビッグ・ネームとなると、レコードを見つけるとどうしても気になって買ってしまうんだよね。レコードがキラキラと後光が指しているように見えちゃう。これ、音楽好きにはあるあるだと思う。
そしてこういう感想文を書いていると、そういうLPでも興味をもって聴くようになるからとても良い。興味をもって聴くようになると、気に入る気に入らないに関わらずいろいろと発見することもあって、音楽聴くのって楽しいなって思えるのだ。拙い文章だけどやってて良かったなぁ。

B・Bの
ブルース聴いて
耳(B・B)肥やす?

季語はブルース。

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