戦前の流行アイテム「スリップの手編みレース飾り」あれこれ
何日か前の記事で「昔の人がスリップも手作りして、手編みのレースをつけていた」ということを書きました。
この「スリップにつけるレース飾り」というアイテムは、当時(昭和10〜15年ごろ)とても流行していたみたいです。
下の写真は、この時代の婦人雑誌『主婦之友』『婦人倶楽部』の付録。以前ネットの古本屋さんで「レース編み」と検索して、ヒットしたものを購入していたら、自然にこれだけ集まりました。ただしこれはだいぶ前の話で、今はもう、手に入りにくくなっているかもしれません。
これらは本当に興味深くて、1冊ずつていねいにご紹介したいですが、今回は「スリップのレース」に話を絞っていきます。
ここに写っている冊子の中を探すと、この種のアイテムがさらに5点も見つかりました。1点ずつお見せしましょう。
➀これは小さなモティーフを丹念につなぎ合わせたもの。大人用と子ども用があります。
②こちらはいわゆる「メッシュワーク」ですね。「簡単にできる」と紹介されていますが……。
③薔薇と蝶をあしらった方眼編みもあります。今見てもすてき。
➃この昭和11年の付録は、まだ時勢がそれほど厳しくないせいか、華やかで充実した内容です。スリップ向きのレースはもう1点載ってます。手のこんだ花モティーフ! 舶来品のレース糸を惜しげなく使い、中心には色糸があしらわれているようです。色を変えると、その分手間も増えるんですけどね。
⑤下の写真は昭和15年のものです。冊子のタイトルに「内職としても有望な」とあったりするように、11年のと比べると、時勢の厳しさが感じられます。筆者の知るかぎりでは、この年を最後にレース編みは、日本の出版物から姿を消します。
いかがでしたか? これらについて少々考えたことを、あした書こうと思います。きょうはもう時間が遅いので終わらせていただきます。おやすみなさい。
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