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大洗町に住む方や外から訪れる方、いろんな人が行き交う場所に

茨城県大洗町出身で、2022年9月に東京からUターン、同年9月にカフェ「STREET FOOD & COFFEE TODAI」をオープンした三橋勇太さん。
大洗町で育ち、約18年に渡って外で様々な経験をして大洗町に戻ってきた今、
TODAIを通じて伝えていきたいことや三橋さんの思いを伺いました。


- 三橋さんのバックグランド

大洗町に生まれ、高校まで大洗で暮らしてきました。高校を卒業した後、ファッションの学校に進学することになったのですが、そこで「音楽」にハマりました。学校の文化祭で初めて披露したら、とても反響がよくて、そのまま仲間とバンド活動を始めました。そこから少しずつ活動の範囲も広がって、京都でライブをしたり、海外のフェスにも出る機会もいただきました。当日は、その日暮らしをするなんて時期でもありました。

その後、日本に戻ってきて、地道に音楽活動を続けている中で、「コーヒー」に興味を持ち始めて、まずはやってみようとカフェでアルバイトを始めました。そこで、コーヒーに関する知識やカフェ運営の経験を積んできたのですが、2020年に感染症が流行して生活が一変しました。外に出れない日々が続く中で、友達や家族とも物理的にも心理的にも疎遠になって、「なんで自分は今、東京にいるんだろう」と思ったりしました。

そんな時、たまたまコーヒーマシンを譲ってもらったことがきっかけで、自分でカフェをやろう!と独立を決意しました。その上で、せっかくお店をやるなら地元でやろうと思い、18年ぶりに大洗に戻ってきました。戻ってきてからの生活は基本、仕事の日は自宅とカフェの往復が続く日々ですが、休すの日は大洗の友人とごはんを食べに行ったり、材料の買い出しに行ったり、たまに東京など違う地域に行って、最近は何が流行っているんだろうといったことを研究しに行ったりして過ごしています。

海のある生活が送れる茨城県大洗町

- 東京のカフェで働いていた時・・

音楽をやっている時からコーヒーは日常的に飲んでいたので、好きな飲み物でした。東京で働いていたカフェでは、マスターからコーヒやカフェの基本からいろんなことを教えていただいて、勉強以上に修行のような毎日でした。

そのマスターからの影響はすごく大きくて、特にお客さんといつも会話をしていて、いまどきのカフェというより昔ながらの純喫茶みたいな雰囲気でした。本当にずっと誰かとしゃべってるアットホームで温かいお店でした。

そんなお店で働いている中で印象的だったことは、単一農園で生産したコーヒー豆で作られた「シングルオリジンコーヒー」を初めて飲んだ時でした。苦い味だけでなくフルーティーな味があったり、香りもいろんなものがあったり、コーヒーってこんなに奥深いものなんだなと。それを知ってからどんどん面白くなってハマっていきました。マスターが淹れてくれた、あの味も香りも違うコーヒーの衝撃は今でも忘れられない思い出です。

カフェ修行時代のことを話してる様子

- STREET FOOD & COFFEE TODAIをオープン

お店をオープンするにあたっては、大洗町のサイトを調べてた時に、現在営業している場所(うみまちテラス内)がチャレンジショップであることを知りました。ちょうど戻ってくるタイミングでお店の応募が出ていたので、これはチャンスだと思い応募しました。居抜きの物件でもだったので、準備は2週間程度で進められることができました。

オープンした時はまだメニューも少なかったんですけど、少しずつメニューのバリエーションを増やしてきました。当初はコーヒーがメインだったのですが、親子連れのお客さんも多く来店してくださったこともあり、アイスクリームやシェイク、デザートメニューもつくって、いろんなお客さんに楽しんでもらえるようにしてきました。

あとは、研究するのが好きなので、こんなことをやってみたいとか、こんなメニューがあったら常連のお客さんたちが喜んでくれるんじゃないかと思ったりして日々試行錯誤しています。味が美味しいことはもちろんですが、修行したお店では衛生面や安全面と行ったお店を運営するにあたっての基本をとても大事にしていたので、TODAIもそのあたりを大事に運営するようにしています。

また、大洗町出身でUターンしてきたもあるので、町に根付くことを意識しています。コーヒーを提供して終わりではなく、来てくれたお客さんとラフに会話することを大事にしています。そのおかげもあって、オープンしてから約1年が経ちますが、今では大洗町内外問わず、いろんな層のお客さんが増えて、中には毎日、ふらっと来てくれる常連さんもできています。

TODAIはオリジナルのデザートメニューも豊富に提供している

- TODAIが大事にしていること

オープン前に描いていたことは「若い人たちがいろんな経験ができる場所」でした。大洗に戻ってきてまずはじめに感じた違和感というのが、若い人が集まる場所が無いなと感じたことでした。そういう場所が大洗にもっとできれば、町はもっと活性化していくんじゃないのかなと思っています。

そのため、TODAIはコーヒーを飲みにきてもいいし、勉強しにきてもいいし、テレワークしてもいいし、世間話してもいいし、その人が今やりたいことができて、いろんな経験ができて、いろんな人との出会いがある場所がいいなと思っています。

独立する決断できたのは、自身もいろんな経験をしてきて、いろんな人との出会いがあったからだと思っています。なので、TODAIはそんな場所でありたいですし、その人の日常の中にある一つの選択肢でありたいです。「ここにしか行きたくない」というお店よりは、「今日はここでコーヒー飲もうかな」「今日は三橋さんとちょっと世間話でもしようかな」といった感じで、その人のその日の気分で訪れてくれるお店がいいなと思います。

そんな形で町に溶け込んでいきながら、提供する食べ物や飲み物を美味しくしていって、TODAIに訪れる人の価値観を広げていけたらいいなと思っています。

TODAIが目指すお店はまちの活性化にもつながっていく

- 「価値観を広げる」ということ

人の持つ価値観は一人ひとり異なるので、その違いや幅をきちんと理解することが大事だと思っています。例えば、お客さんが頼んだコーヒーが飲んでみたらちょっと苦いなと感じていたら、「こっちのフルーティな味を飲んでみませんか?」と提案してみるんです。

その会話の中で、その人の価値観を知ることができれば、求めていることを叶えることができるかもしれませんよね。僕が美味しいと感じるのと、みんなが美味しいって感じるものは異なるということを理解して、その違いをコミュニケーションを通じて擦り合わせていくかがポイントです。

自分の中にある価値観の幅が広がることで「そういうのもあるよね」と、自然と受け入れられるキャパシティも広がると思います。特に、これだけ価値観が多様になって、一人ひとりがSNSで発信できる時代において、その幅を広げていく発想はお店づくりにおいて大事なことだと思っています。

僕自身はファッションの勉強をしている中でハマった音楽活動を通じて、価値観が広がっていく経験をしてきました。その経験や感覚を「TODAI」という場所を通じて訪れる方々に少しでも伝えていくことができたら嬉しいです。

三橋さんの過去から現在、現在から未来といろんなお話を伺いました

- 編集後記

三橋さんとは今回のインタビュー前に、地域共創型まちづくりプログラム「Create Owarai」のテーマオーナーとしてご協力していただきました。その時には聞けなかった三橋さんの考えていることや思いが今回のインタビューで初めて聞けた部分が多くありました。

インタビューで一番印象的だったのは「価値観を広げる」という言葉でした。大洗町にUターンしてくるまでの経験もそうですし、町の入口の一つである大洗駅隣の場所でお店をやっている三橋さんだからこその考え方だと感じました。

大洗クエストとしては、大洗町の中の人と外の人を繋いでいくTODAIの場づくりを一緒につくりあげていきたいと思っています。

TODAI三橋さんとインタビュアー鈴木の2ショット

◆STREET FOOD & COFFEE TODAI ホームページhttps://todaifoodandcoffee.wixsite.com/street-food---coffee

◆Instagram
https://www.instagram.com/todaioarai/

◆Twitter
https://twitter.com/Todaioarai


取材・執筆:鈴木 斗樹(大洗クエスト)
撮影・編集:萬里小路 忠昭(大洗クエスト|大洗町地域おこし協力隊)

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