49歳からの挑戦
昨年末に退職した。
次の仕事は決まっていない。今年で50歳になるし、精神と発声に障害がある。とにかく不安で仕方がなかった。果たして仕事が見つかるだろうか?普通に考えて、僕みたいな人間を雇ってくれる会社があるとは思えない。怖くて仕方がなかった。自分がビルから飛び降りる様を思い浮かべた。震えが止まらなかった。
ネットで調べても、40代後半の転職はかなり厳しいと書かれている。ハローワークでも、今、転職すれば、間違いなく年収は下がると言われた。年齢を考えると、障がい者枠で探したほうが可能性はある。しかし、障がい者枠では、年収はかなり低いのが現実だった。キャリアがなければ、頑張っても300万。僕は完全に守りに入って、会社を経営する友人に助けてくれと頼み込んだ。
しかし、僕のまわりの仲間は諦めていなかった。僕を勇気付け、励ましてくれる温かさが伝わってきた。完全に怖気付いて、とにかく雇ってくれる会社を探そうとしていた僕は、彼らのおかげで徐々に考え方が変わっていった。
「まだ、できるかもしれない」
安い給料でも、とにかく雇ってくれる会社に早く就職したいという考え方から、自分の強みは何か?、自分が今やりたいことは何か?を考えるようになった。発声は、他の人に比べれば聞こえにくいかもしれない。でも、僕には15年以上の営業のキャリアがある。そして、やはり僕はデザインに関わる仕事がしたい。
そう考えると、僕のやるべきことが見えてきた。自分がやりたい仕事ができそうな会社を片っ端から調べた。採用の計画があるか、メールなどで連絡を取ることはできるかを調べまくった。
かつて僕が輸入家具の会社に転職できた時のように、職務経歴書を充実させて、採用の計画があるかどうかに関わらず、とにかく自分を売り込もうと思っている。もう、50歳?関係ない。自分にはキャリアがある。新しいことを学ぶには物覚えは若い人には負けるかもしれない。しかし、市場価値は確かにあるという自信はある。声が聞こえにくい?問題ない。これまでこの声で普通に仕事をしてきたじゃないか。コミュニケーションも普通にとってきた。確かに聞きづらいところはあるかもしれない。しかし、僕の言うことを聞こうとしてくれる人は皆、真剣に僕の言う事に耳を傾けてくれることを僕は知っている。
障害があるとか、ミドルの転職は厳しいとか、そんな世間一般の常識は吹っ飛ばせ。50歳でやっと夢を掴んでもいいじゃないか。管理経験が無くてもいいじゃないか。ただ、自分の好きなことを仕事にして、精一杯働ければいいじゃないか。
そんなことに気付くのに、僕は10年も無駄にしてしまった。でも、気付けただけでも幸せかもしれない。さあ、僕の挑戦が始まろうとしている。