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東京事変がかっこいい

まずはこちらをご覧になって欲しい。

東京事変の新曲pv である。

正確に言えば、新作アルバムのティザー映像。
ティザーとはteaserという「じらし広告」という意味で、teaseが「いじる、じらす」等の意味を持っている。
新商品などのリリースを前に断片的に商品を見せることで、顧客の関心をそそるような手法がティザーなのだが、ティザーであることを忘れさせるくらいの馴染み具合である。

そして、この映像は2曲からなる。
1曲目は「孔雀」。1分ちょっとの曲。よくあるアルバムの1曲目短いやつ。これはアルバム購入前の試聴をした際にインパクトが残りやすいように、短く象徴的な曲。
2曲目は「一服」。この映像の1:06くらいからスタートする。実はこれはアルバムの13曲あるうちの最後の曲である。そう、これは新作アルバムの最初の曲と最後の曲からなる1つの映像なのである。
かつて椎名林檎の「三文ゴシップ」というアルバムの1曲目の始まりが、椎名林檎ではなくMummy-Dのラップから始まったのと同じくらいの衝撃をこのPVで感じたし、ラッパー椎名林檎というのもちょっと熱くなるものがある。
映像に登場する双子ダンサーsisのやや中性的な出で立ちから繰り出される魅惑的な踊り、「一服」は丸の内サディスティック的なコード進行に乗せられた椎名林檎のキャバレーを出店したいという願望の歌詞を、珍しく力強い浮雲の歌声とゆったりとした伊澤一葉の歌声が、椎名林檎のそれと重なりあう。
今回のアルバムのタイトルでもある「音楽」がネオンのセットととして映像のなかにドンと存在しており、裏表左右シンメトリーとなっている。

双子ダンサーsisはその「音楽」を中心に踊りつくす。
そこに双子ダンサーsisの衣装はほぼ同じであるなか、シンメトリーを潜在的にかつ連続的に意識させてくれる。
そしてその真ん中に椎名林檎がいる。

そう、椎名林檎は「音楽」なのだ。
カタルシスに溢れている。ダダ漏れである。

うむ。至極である。


ストリーミング配信時代において、CDアルバムを出す意義を見出だすのはなかなか難しい。
アルバムを1つの作品として真摯に音楽に向き合う人は漸減しているなかで、「孔雀」と「一服」の間に奏でられてる楽曲たちは如何なるものなのか、ある種の反骨的再定義でもある。
「聴く」と「見る」を今一度しっかりと選択することに、人生の豊かさがあるように思えた映像である。

さてさて、そんな東京事変の焦らしプレイを見ながら聴きながら飲みたいビールはこちらです。

志賀高原ビール/ゆるブルWheat

たぶん、クラフトビール業界で一番ティザーを
されてるであろう志賀高原ビール。
小麦の優しい口当たりとたっぷり使われた
柑橘系ホップの爽やかなオレンジ感のある香り。
度数も低く、熱くなってきたこの時期めっちゃ美味しい。
※志賀高原ビールはかつて
「信州事変」というビールをリリースされていました(現在は売り切れ)


富士桜高原麦酒/シュヴァルツヴァイツェン



ドイツ直伝の醸造技術で、日本のクラフトビール界を
牽引し続ける富士桜高原麦酒。
シュヴァルツはドイツ語で「黒」、
ヴァイツェンは「小麦」。
そう黒い小麦のビールです。
複雑な味わいのように感じますが、
立体的な味わいのなかで
とてもスッキリと飲みやすい黒ビール。
実は日本で作られてるのが非常に稀なスタイル。
これを安定的に供給し続けてくれる醸造所に感謝の嵐。


シュレンケルラ/ラオホヴァイツェン

ドイツはバンベルク発祥の燻製ビール・ラオホの
総本山の醸造所「シュレンケルラ」のラオホヴァイツェン。
燻製させたヴァイツェンということで人を選びそうですが、
柔らかな口当たりのあとの
燻製香がクセになる感じであります。
ちなみにバンベルクは数多の大戦を潜り抜けた
中世の街並みが世界遺産となっており、
いずれ訪れてみたいものです。



以上、東京事変の最近のカッコよさを伝えたく、文章を綴っていたら、自分の大好きなビールも合わせて紹介したくなってしまいました。

単にビールを紹介するだけでなく、自分の関心のあるコンテンツ×ビールのペアリングというものを続けられたらな、と思います。

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