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売れる会社のすごい仕組み【本のアウトプット】

アウトプット08「売れる会社のすごい仕組み/佐藤義典著」

【佐藤さんプロフィール】
早稲田大学政治経済学部卒業後、NTTで営業・マーケティングを経験後、MBAを取得。外資系メーカーにて、ガムのブランド責任者としてマーケティング・営業・開発・製造などを統括。その後、外資系マーケティングエージェンシー日本法人にて、営業チームのヘッド、コンサルティングチームのヘッドなどを歴任。2006年ストラテジー&タクティクス株式会社設立、代表取締役社長に就任。

【読んだ理由】
・現職社長のオススメ本

【アクションプラン】
「戦略BASiCS」や「3つの差別化軸」で戦略を考え、「売上5原則」でそれを数字にし、具体的な打ち手を考えて実行し、効果測定し評価する。
┗実行する際に効果測定は可能か、効果測定する方法をあらかじめ明らかにしておく。

売上=客数×客単価
┗上記のように目標に対して必要な要素を掛け算で細分化する。
┗客数を上げるために何をしなければいけないか。客単価を上げるために何をしなければいけないか。考える
┗ただし、戦略の差別化と同じ軸で考えないと一貫性がなくなるので差別化戦略と同じ方向性を取る必要がある。
┗手軽軸戦略なら新規顧客獲得が重要指標となり、単価向上は諦める。
 →多くの人に売るなら価格は下げた方が売りやすいから。
┗商品軸戦略なら新規顧客獲得は諦め、客単価向上を狙う。

マインドフローごとにマーケティング施策は異なる。
┗戦略で策定した方向性で進める。

【学んだこと】
売れる仕組みの本質=戦略→数字→実行→効果測定のサイクル

「戦略BASiCS」=戦略5要素を一貫的に考えていくフレームワーク

経営戦略やマーケティング戦略については、様々な理論があるが大きく5つにまとめられる。
この5つの戦略理論を戦略の5つの「構成要素」として捉え、一貫性を保ちつつ具体的に考えると、すぐに使えるツールになる。

1:戦場・競合(Battlefield)
2:独自資源(Asset)
3:強み・差別化(Strength)
4:顧客ターゲット(Customer)
5:メッセージ(Selling message)

1:戦場・競合(Battlefield)

戦場も競合も顧客が決める。
マクドナルドの戦場は「お手軽なハンバーガーの食事」で、モスやロッテリアが競合と頭に浮かぶことがあるかもしれない。
┗マクドナルドの戦場・競合はハンバーガーという業種・業態だと限らない。
┗本当の戦場は、「一休み」「手早い食事」などの「顧客にとっての価値」であり、競合とは「その価値を求める顧客の頭に浮かぶ選択肢の集合」である。

2:独自資源(Asset)
3:強み・差別化(Strength)

強み・差別化は、顧客が競合ではなく自社を選ぶ理由。
独自資源は、その強み・差別化を長期的に可能にする、強みの源泉。

独自資源は2種類ある
┗ハード資源:設備など目に見えるもの
┗ソフト資源:ノウハウ、企業文化など目に見えないもの

例)
マクドナルドのコーヒー=120円
ドトールのコーヒー=200円
マクドナルドの低価格という強みを長期的に可能にする独自資源の1つが、
圧倒的な店舗数で規模の経済により低価格化を実現する。

強み・差別化は相対比較なので、競合により強みが変わる。
マクドナルドはファミレスと比べると、早くて安いかもしれないが
吉野家と比べて早くて安いとは言いにくい。

4:顧客ターゲット(Customer)

「戦略BASiCS」で一番重要なのは5要素の一貫性だが、一貫性の中核は顧客。なぜなら顧客次第で戦場・競合、差別化が変わるから。

顧客と強みの関係は極めて重要。
自社が付き合いたい顧客を選び、そして顧客は自社の強みを重視してくれるという相思相愛の関係にする。

例)
マクドナルドの場合、顧客ターゲットが「小さい子供のいる家族」なら、戦場は例えば「休日の家族のランチ」で、競合はファミレスだろう。
その「競合」に対し、「顧客」にとって重要なマクドナルドの「強み・差別化」は「ハッピーセット」というおもちゃつきメニュー。
上記の例のように、戦場、競合、強み・差別化、顧客の一貫性をとる必要がある。

5:メッセージ(Selling message)

戦略を社内外にどう伝えるか。
競合にも当てはまるメッセージじゃ差別化できない。
メッセージは、何をして何をしないという事業領域を決め、広告や従業員対応などの行動を統括する。

ここまでの4要素を凝縮して戦略をまとめ、商品・チャネル・価格・広告(4P)の実行段階を統括する。

「戦略BASiCS」の使い方

戦略を考える時に大事な2つ
┗一貫性
┗具体性

具体性が無いと、具体的な行動に落ちてこない。
どんな人のどんな価値か具体的に考える。で、またその場合の競合は誰かを考える。

戦略を数値化する

戦略を考えたら数値化する。
戦略は売上や利益という成果を出すためのもの。

戦略の目的の1つは、利益を上げること。
┗利益=売上ー費用
┗利益を上げるには、売上を上げる、または費用を下げるしかない。

ここでは、売上を向上させることについて考える。
┗売上=客数×客単価
┗売上を向上させるには、客数を増やすか、または客単価を上げるしかない。

売上を上げる5つの方法「売上5原則」
売上
┗客数×客単価

※例はディズニーランドを想定しています。
1:新規顧客の獲得(客数増加施策)
今まで一度も買ったことない顧客に買っていただく。
例)中学校の就学旅行で来てもらう。定期的に広告を出す。
2:既存顧客の維持(客数維持施策)
買ったことがある顧客が忘れる・逃げることのないようにする。
例)数年間に1回、アトラクションを新設する。大人になっても来たくなる施設を作る。
3:購買頻度の向上(生涯客単価増加施策)
一定期間内の来店・買う回数をあげる
例)季節ごとにショーなどの内容を変えて1年に2回に来ている。
4:購買点数の増加(客単価増加施策)
購買時の買い上げ点数を増やす。
例)おみやげにつくキャラクターを増やし、ミッキーのおみやげとドナルドのおみやげをかってもらう。
5:商品単価の向上(客単価増加施策)
商品1点あたりの単価を上げる
例)高級なレストランを用意して、メニューの単価を上げる。

戦略は実行され、売上・利益が出てこそ意味がある。
戦略→数字→実行→評価というサイクルを回すことが重要。

①戦略→数字
戦略が重視すべき数字を決める。
仮にゴールが売上の向上なら、売上の目標となる数字を明確にする。
┗それが達成すべき目標。
┗戦略が達成すべきゴールを数字にする。

売上5原則のどの数字を重視すべきかは、戦略が決める。
例)
手軽軸戦略なら新規顧客獲得が重要指標となり、単価向上は諦める。
→多くの人に売るなら価格は下げた方が売りやすいから。

商品軸戦略なら新規顧客獲得は諦め、客単価向上を狙う。

②数字→実行
分解して原因を特定し、打ち手を考える。
売上5原則の各数字を定期的に把握していれば、売上が下がった時にどの数字が落ちたのかがわかり原因の仮説を考えやすい。

例)新規顧客が減った場合、広告の効果が落ちたのではないかという仮説が立てられる。購買点数が落ちた場合は、品揃えや商品構成が顧客ニーズに合わなくなったのでは?という仮説を立てられる。

 定量的な数字を定期的に追い、問題が起きたらその原因の仮説(定性)を考え、打ち手を考えて、実行・行動するという仮説検証サイクルを回す。

定量と定性のやりとりが重要になる。
┗定量は量、定性はその背後にある質だ。
┗定量的な数字の変化には、定性的な原因がある。

自社の変化にのみとらわれず、競合はどう変化しているか、客層が変わったのかなどを考えてみよう。

③実行→評価
実行したら効果測定しよう。

売上5原則の数字を定期的に追う仕組みがあれば、どの数字がどう変化したかという効果の有無がわかる。

効果測定する方法をあらかじめ用意しておく。

戦略→数字→実行→評価「せすじ評価」
「戦略BASiCS」や「3つの差別化軸」で戦略を考え、「売上5原則」でそれを数字にし、具体的な打ち手を考えて実行し、効果測定し評価する。

マインドフロー(ユーザーの心の流れ)

 ビジネスのゴールの1つは、繰り返し購入してくれたり、良い口コミを広めてくれる「ファン」を作ること。
┗どんな商品・サービスでも、ユーザーは「知って、買って、使って、気にいる」というプロセスを経てファンになる。
┗このプロセスを分解すると、認知・興味・行動・比較・購買・利用・愛情の7つの関門になる。
┗ユーザーはこのような心の流れを経てファンになる。

ユーザーがプロセスを通過する時間は商品によって異なる
┗お菓子や飲料の場合
┗店頭で商品を見て(認知)、「へえ」と思い(興味)、手に取り(行動)、カゴに入れる(比較・購買)までにかかる時間は数秒程度だろう。
┗その日のうちに飲み・食べ(利用)、おいしければ後日また買う(愛情)

【認知】
マインドフローの関門:
商品サービスを知る

ユーザーが止まる理由:
商品サービスの存在を知らない

行うべきマーケティング施策:
ターゲットにあった媒体、目立つ広告など

【興味】
マインドフローの関門:
ニーズを感じて興味関心を持つ

ユーザーが止まる理由:
知っているがニーズを感じず興味がない

行うべきマーケティング施策:
わかりやすいメッセージ、ニーズ喚起広告など

【行動】
マインドフローの関門:
来店・資料請求・HPを見る・電話をするなどの行動をとる

ユーザーが止まる理由:
興味を持つが具体的行動に至らない

行うべきマーケティング施策:
HPなどの顧客接点拡大、行動手順説明、景品、行動促進広告など

【比較】
マインドフローの関門:
競合と比べて「こっちがいい」と思う

ユーザーが止まる理由:
行動して調べた結果、競合の方がよかった

行うべきマーケティング施策:
商品改善、セールストーク、販売員訓練、販促ツール改善、競合優位を伝える広告など

【購買】
マインドフローの関門:
お金を出して買う、契約書にサインする

ユーザーが止まる理由:
買おうと思ったが買えない理由があった

行うべきマーケティング施策:
販路拡大、申し込み書改善、クレジットカード受付、ローン・リース提供、景品など

【利用】
マインドフローの関門:
使う、食べる、読む

ユーザーが止まる理由:
買ったが使っていない

行うべきマーケティング施策:
使いやすさ改善、マニュアル、電話受付、使い方指導、用途提案など

【愛情】
マインドフローの関門:
使って満足し、愛用する

ユーザーが止まる理由:
使ったが不満だった

行うべきマーケティング施策:
ファンの集い、継続的コミュニケーションなど

【ゴール】
ファンとなり、リピートする

1つでも先に進めない関門があると競合に流れるか、買わない

マインドフローとせすじ評価
①戦略→数字
差別化軸によって打ち手が変わる。
┗マインドフローの7関門で全てでモレなく手を打つべきだが、どの部門の打ち手を優先するかは、差別化戦略によってある程度変わる。
┗手軽軸では、新規顧客の獲得を重視するため、認知関門など上の方の関門の打ち手を優先させる。
┗密着軸ではリピート重視で、下の方の関門、特に利用関門・愛情関門の打ち手を優先となる。

②数字→実行
すべきことは止まっている関門が決める。
┗ユーザーが止まりやすい関門への打ち手を優先的に行うと費用対効果が高い。
┗落ち込みが激しい関門の対策を優先的に

③実行→評価
効果測定も仕組み化しておく。
効果測定の仕組みを事前に考えておくことが重要。効果があった施策は強化し効果がなければまた別のアイデアを考える。

マインドフローはお客様の心の流れで、それに対応した商品の流れがプロダクトフロー。
┗あげる商品
┗売れる商品
┗売りたい商品
上記の3つに分けて考えて、その間の流れを作る。

単価や利益率が高くて儲かる「売りたい商品」がある。
でもいきなりは買ってもらえないから、買いやすい「売れる商品」をその前に用意する。
更にその前に試してもらえる「あげる商品」を用意する。
→最初の敷居を下げ、順々に階段を登ってもらえるようなフローを作る。

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