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肘部管症候群(Cubital Tunnel Syndrome)③

肘部管症候群についてまとめていきます。治療方法に関してです。


参考引用

Andrews K, Rowland A, Pranjal A, Ebraheim N. Cubital tunnel syndrome: Anatomy, clinical presentation, and management. J Orthop. 2018 Aug 16;15(3):832-836. doi: 10.1016/j.jor.2018.08.010. Erratum in: J Orthop. 2020 Dec 14;23:275. doi: 10.1016/j.jor.2020.12.003. PMID: 30140129; PMCID: PMC6104141.

肘部管症候群

治療方法

保存的治療として
・患者教育や基本動作の修正
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
・ナイトスプリント
・エルボーパッド
・超音波
・パルス療法
・コルチコステロイド注射
などが挙げられ、主に疼痛の緩和や炎症の軽減、リハビリテーションに重点がおかれます。

ナイトスプリントは、肘を45°屈曲位、前腕をニュートラルに回転させるよう調整します。

手術としては、神経のみの除圧、尺骨神経前方転位術(皮下、筋肉下、筋肉内)を伴う除圧、内側上顆切除術が挙げられます。
内側上顆切除術は、肘関節の不安定化につながるため、あまり行われなくなっています。


理学療法

保存療法として理学療法も行われます。


Andrews K, Rowland A, Pranjal A, Ebraheim N. Cubital tunnel syndrome: Anatomy, clinical presentation, and management. J Orthop. 2018 Aug 16;15(3):832-836. doi: 10.1016/j.jor.2018.08.010. Erratum in: J Orthop. 2020 Dec 14;23:275. doi: 10.1016/j.jor.2020.12.003. PMID: 30140129; PMCID: PMC6104141.


上記論文では、肘部管症候群への理学療法介入について報告されています。
内容としては超音波療法などの物理療法が多く記載されていました。

徒手的な方法としては神経力学的手技として、尺骨神経の滑走性の向上を促すものが記載されています。

具体的な方法は
①患者は仰臥位。
②頸部を反対側へ側屈。
③患側上肢の肩関節90°外旋、外転位、肩甲帯は下垂位とする。
④セラピストは肘を90°に屈曲させた状態で前腕の回内外を行う。
⑤セラピストは前腕を回内させ、肘関節屈曲を90°から140°まで行う。
⑥肘を90°屈曲させ、肩関節を90°~120°外転させる。

この方法で尺骨神経の滑走性向上を目指すそうです。

上記の検査方法でも尺骨神経は似たような方法で評価しています。


肘部管症候群に対する治療方法、特に保存療法ではRCTなどが少し報告されているそうですが、その数はあまり多くないそうです。ゴールドスタンダードの方法などが出てくるといいですね。

ではでは。


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