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頚椎

頚椎に関してです。
頚椎の解剖をまとめました。


参考引用

長本行隆. 頚椎のバイオメカニクス. Jpn J Rehabil Med 2016;53:746-749.

上位頚椎

上位頚椎は、
・環椎(環状構造をもつ)
・軸椎(歯突起を有する)
から構成されています。
環椎は棘突起をもちません。
軸椎は多くの筋が付着する大きな棘突起をもっており、これらの筋群は頚椎の前弯の維持に重要とされています。

後頭骨と環椎の間では環椎後頭関節が存在しています。
構造的に、強い凸面の後頭骨後頭顆と弱い凹面の環椎上関節窩で構成されており、周囲は強靱な靱帯性結合によって固められているため、前後屈以外の可動域はほとんど許容しません。

環椎-軸椎間は、
・歯突起部で環椎前弓と環椎横靱帯
・後方の外側環軸関節
を合わせた環軸関節が、頚椎回旋運動に重要な役割を担っています。

環椎後頭関節と環軸関節には椎間板はありません。
滑膜関節および靱帯により連結しています。


中下位頚椎


中下位頚椎の形態は、
・鉤状突起
・椎間関節
が特徴的です。

鉤状突起は、頚椎にしかありません。
これらは椎体で互いに鉤状椎体関節(Luschka 関節)を形成します。
鉤状椎体関節は椎間の回旋や側屈の安定性に寄与しています。

椎間関節の角度は各椎体で異なるとされ、C5椎体で最小(約45°)、C7椎体で最大(約60°)となります。


頚椎と筋肉

前方

浅層
広頚筋、胸鎖乳突筋

深部
頚前筋群(前頭直筋、頭長筋、頚長筋、外側頭直筋)
斜角筋群

後方

最浅層
僧帽筋、胸鎖乳突筋

1層下
板状筋群(頭板状筋、頚板状筋)

さらに1層下
頭半棘筋、頚半棘筋、脊柱起立筋(頭最長筋、頚最長筋、頚腸肋筋)

最深層
棘間筋、回旋筋、多裂筋

軸椎より頭側

最深層
後頭下筋群(大後頭直筋、小後頭直筋、下頭斜筋、上頭斜筋)

作用

頚椎の前屈
胸鎖乳突筋、頚前筋群、その他(舌骨筋群、斜角筋群)

頚部の後屈
板状筋群、後頭下筋群、脊柱起立筋、頭半棘筋、頚半棘筋

頚椎の側屈
頚前筋群、胸鎖乳突筋、斜角筋群,、後頭下筋群、脊柱起立筋

頚椎の回旋
回旋と同側:板状筋群、脊柱起立筋
回旋と反対側:胸鎖乳突筋

その他、後頭下筋群や、頭半棘筋、頚半棘筋、回旋筋、多裂筋の後頚部の深層筋も回旋に関与しています。

頸部へのリハは結構難しい印象です。というのも、何やっていいかわからないことが多いからです。
いつも姿勢の修正とかになってしまうのがいいのか悪いのかわかりません。勉強します。

ではでは。

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