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椎間関節性障害

脊椎疾患において、椎間関節性の疼痛や障害の症例は多く存在します。
まとめてみました。


参考引用

成田崇矢編集. 脊柱理学療法マネジメント機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く. メジカルビュー社, 2019.

椎間関節の役割

椎間関節の機能として
・椎体間の動きの制動
・軸方向の荷重伝達
が挙げられます。

頚椎

頸椎椎間関節障害では頚椎捻挫が挙げられますが、その他にも日常生活や職業動作などで頻回する伸展回旋挙動により発症すると考えられます。
寝違えなども似たような症状となります。寝違えに関してはまた別の機会で調べてみたいと思います。

スポーツ現場では、ラグビーなどのコンタクトスポーツやサッカーでのヘディング動作において生じやすいです。
・頸部への負荷
・後弯変形(椎間板の編成に伴う椎間腔の狭小化や椎間関節への荷重負荷を避けるための機能的後弯)
・筋・筋膜の損傷
などは、椎間関節障害や疼痛につながります。
構造的な問題に加え機能的な面への介入も必要となります。


腰椎

椎間関節性の腰痛は椎間関節の構造(骨、関節包線維・滑膜、硝子軟骨)および機能変化を起因とする痛みと定義されます。
関節包の内尾側部や辺縁部、関節突起の筋付着部には、 豊富な侵害受容器が分布しており疼痛の発生源となりうります。
また、椎間関節の支配神経である腰神経後枝内側枝はが棘間筋、多裂筋を支配しているため、椎間関節に生じる侵害刺激が反射性攣縮や筋緊張を引き起こす可能性があります。したがって.椎問関節性腰痛は筋・筋膜性 腰痛とも密接に関連している可能性がある。
さらに、椎間関節に炎症が発生すると、腹側に存在する神経根に炎症が波及し、神経障害性疼痛をきたす可能性かもあります。
したがって、椎間関節の障害から筋・筋膜性の疼痛や神経障害性の疼痛を引き起こすことが考えられます。

腰椎の椎間関節は回旋運動が制限されています。特に腰椎の伸展と回旋の複合運動時に椎間関節への力学的ストレスが増大します(特に回旋方向と反対側の椎間関節)。
このことから、腰椎回旋を伴う動作においては、仙骨の側方傾斜により椎間関節への負荷が上昇する可能性が示唆されます。
脊柱のマルアライメントへの介入も必要ですね。


椎間関節性疼痛は、力学的ストレスとそれに伴う周囲の軟部組織の損傷や神経への影響が考えられます。
その力学的ストレスを減らせるような介入が必要ですね。

ではでは。

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