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関節唇損傷


諦めて、やめるのは簡単。どんなに苦しくても、ガムシャラに泥だらけになって最後までやり切る


2006年夏の甲子園を沸かせたハンカチ王子こと斎藤佑樹元投手が、日本ハムで投手としての現役生活中に、当時監督だった栗山監督に言われた言葉です。斎藤佑樹選手は、現役生活中は怪我に苦しみ、成績が振るわなかったと言われています。そんな中、ハンカチ王子と言われ知名度も高い斎藤佑樹投手は栗山監督に
「苦しんでいる人のために一生懸命がんばる姿を見せる責任がある」
「諦めて、やめるのは簡単。どんなに苦しくても、ガムシャラに泥だらけになって最後までやり切る」
と諭され、野球やリハビリに取り組んだそうです。


斎藤佑樹投手は、肩に「関節唇損傷」を負っていたそうです。
関節唇損傷は、投球動作などオーバーヘッドスポーツなどでも起こりやすいとされています。関節唇損傷に関してまとめてみました。



関節唇とは

関節唇は、関節窩の全周を覆う線維性(軟骨)組織です。
関節窩はとても浅い形状をしていますので、関節唇が存在することで上腕骨頭との接触面積を増やし、その安定性を向上させています。
関節唇のおかげで、関節窩の深さは約2倍になるそうです。
安定性は関節唇が無いと20%程度落ちるとされています。


関節唇損傷

損傷部位によって上側と下側に分類されます。
・上方損傷:SLAP損傷(Superior Labrum, Anterior to Posterior)
・前下方損傷:Bankart損傷
・後下方損傷:Bennett損傷


SLAP損傷:上方損傷

SLAP損傷は聞いたことがある損傷かと思います。
肩関節唇の損傷として最も頻度が高く、上方の関節唇と上腕二頭筋長頭腱が接する部分で生じるとされています。
投球動作では、フォロースルー期で上腕骨が過剰に前方へ牽引されることにより受傷することが多いです。
過剰な前方への牽引を抑えるには、腱板の遠心性の収縮などが必要となりそうですね。
特に投球側の腱板へのトレーニングはしっかり行いましょう。


Bankart損傷:前下方損傷

Bankart損傷は、肩が脱臼した際に関節窩(関節包)の周りにある関節唇が損傷する状態を指します。
これに骨膜や周囲組織の剥離などが加わり、不安定さが増した状態をALPSA損傷と呼びます。
また、脱臼などで上腕骨頭の後方にできる損傷をHill-Sachs(ヒル・サックス)損傷といいます。
肩関節90°外転位から過外旋することで前方脱臼などは起こりやすいです。
腱板の強さや肩甲骨の柔軟性も必要となってくるでしょうか。


Bennett損傷:後下方損傷

Bennett損傷は、上腕三頭筋や関節包に繰り返しストレスがかかり、後方の関節唇を損傷することです。
Bennett骨棘はよく聞くケガかと思います。Bennett骨棘は三角筋付着部などに骨棘が形成されることで痛みが出ます。
双方ともに、投球動作のフォロースルー期に過度な水平内転・内旋によるストレスが原因と考えられます。


投球動作と関節唇損傷は、切ってもきれない関係ですね。
怪我をしないための予防が重要となってくると思います。

ではでは。


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