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海辺の街なのに山の中 〜ニース旅行記その1〜

またこの時期が来てしまった・・・。
そう、3ヶ月に一度やらねばならないアレである、国外脱出旅行。
ビザの関係上避けられない義務なのだが、価値なしディナール生活民にとってユーロ圏への旅行は、本当に物凄い負担・・・・・・なんである。
せめて6ヶ月に一度なら、まだニコニコ楽しみに出来るイベントかも知れないが、年4回ヨーロッパ旅行ってなんじゃそら。
私どんな富豪じゃ、といつも思うのである。

しかも今回、仕事とビザ期限の都合上、クリスマス時期に出なければならない、という踏んだり蹴ったりな事実。
エアがどの場所に行くにも高いばかりか、宿泊費も場合によっては上乗せ、オマケにヨーロッパなんでどこも寒いと来てる。
チュニジアでも毎日暖房の前から少しも動くことが出来ないくらい寒いのに、それ以北にあるヨーロッパなんて行ったら、足元から凍ってまうわ!と行く前からもうブルー。
いやもう、そんなもん通り越してなんかグレー。

そして今回、グレーな気分に更に拍車をかけるのが、もういい加減避けては通れない、という事で、行く先をフランス・ニースにしたのだった。
ついに、である。(あくまでワタシ的に)

以前のドイツ旅行で、(https://note.mu/outou_ryo_ko/n/n79aca0559a85?magazine_key=me3dea126bc01)   言葉の通じない国への旅行は苦行でしかない、という事を痛感し、そこからスペインだの  (https://note.mu/outou_ryo_ko/n/n7361450b5e95?magazine_key=me3dea126bc01) スペインだので  (https://note.mu/outou_ryo_ko/n/n325f21f066f1?magazine_key=me3dea126bc01)
お茶を濁してきたのだけど、フランス語の勉強を始めて約一年、という感じになってきたので、そろそろ観念しよう・・・と思い今回はニースに決定。
まぁニース行きのエア代が一番安かった、というのが何よりもの決定打な訳だけど。

今回の期間は12月20日〜25日。クリスマスぶち当たりである。
前日の19日、夜9時まで仕事があり、そして翌日は朝6時に出なければならない、という状況だったので、数日前からもうソワソワ。
大丈夫かな、寝坊せんかな?タクシーも捕まるかな?前夜に力尽きずに全部準備終われるかな?不在時の家は大丈夫かな?お金足りるかな?現地でカードちゃんと使えるかな?・・・・と行く前の心配で既に疲れ始めていた。

さて当日早朝起床。寒すぎて普段は亀のようにしか動けない私も、さすがに滞りなく一通りの準備を終え、空港到着。
はー、ヤレヤレ、とりあえず後はニースに・・・と思うと今度はまた違う不安が襲ってくる。
フランス語大丈夫かな?フランス語大丈夫かな?フランス語大丈夫かな?フランス語大丈夫かな?・・・・もうエンドレスである。┐(´д`)┌

予てから“フランス人ほど不親切な人種はいないよ!”という意見もまことしやかに聞いていて、そんな人々なら、フランス語もまともに話せないアジア人なんて鼻であしらうんじゃないだろうか、と行く前から何もかもに不安を感じ、何一つ楽しむことの出来ない私であった。

さて、不安な私を余所に飛行機は無情にもニース到着。
あぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・ホントに着いちゃった。
そして開口一番『寒っ!!!!!』
もうこれに尽きる。

風は強いわ、昼前の時刻だと言うのに空はどんより曇っているし、同じ地中海沿いと言ってもフランスってやっぱこんな感じなのか・・・・と、どんよりと予測していたものと違わないことにまたどんよりする、少しは楽しめよ、私。

ニース中心街に向かうまでのバスの中から、どよんどよんの空。
私の心持ちを現しているかのよう。

さてこれからニース中心部に向かうのだけれど、今回の宿泊はニース市内ではなく、隣にあるヴィル・フランシュ・シュル・メールという小さな街。
5泊もあるのに全泊ニースっていうのもつまんないな、と思い、カンヌやモナコも近いし、近郊の街も面白そうなので色々と足を延ばすことにしたのだ。

わかりにくいかな・・・地図お借りしました。

しかしそのヴィル・フランシュ、宿泊を決めたはいいけど何とも行きにくそうな感じ。
いや、ヴィル・フランシュ自体はニース駅から電車で2駅、と近距離なのだけど、宿自体がヴィル・フランシュの高台(というか山中)にあるので、行くにはバスしかない。
勿論タクシーというテもあるが、よっぽどの事がない限り使いたくない。
あと公共交通機関の方が面白そうだし。

で、なんでそんな面倒をわざわざ選んだのかと言うと、その宿泊先が安いんだけどBooking.comで評価が高いアパートメントホテルで、なんか冒険したい、と不安に思うくせにやっぱりそこに行き着いてしまう、いつもの天の邪鬼気質が発動したからであった。

しかしその宿、3時がチェックイン、で現在やっと11時になろうかという処。
幾らなんでも時間ありすぎでしょ・・・という事で、必要以上にチンタラ行動する事にした。
まぁ初めての場所だし、フランス語不安だしちょうどいい。

んでチンタラ行動した結果・・・・。
こちらの宿に到着。(本当に3時くらいに着いた)

こちらの2階に泊まりました、と部屋の中から撮った外の風景。
山中なので朝夜はシンシン冷えることでしょう。

あれー?さっきまでニース海岸の横をバスで走っていたのに、海がすぐ側の市街を歩いていたのに、ここはっ!?というくらいの山の中だった。
しかもこのアパートメント、本当に近くに何の店一つもない・・・。
という訳で買い出しに出かけるべく、てくてくと山道をヴィルフランシュの街に向けて下る事にした。

何かデジャブだな・・・と感じつつ歩く、しかし何のデジャブだろうか?
ハッと思い出したのは前回のアンドラ旅、  (https://note.mu/outou_ryo_ko/n/nc537eaf59184?magazine_key=me3dea126bc01)
アレは本当にピレネー山中の国だったのだけど、確かここは海沿いの街なのに・・・また?などと考えながら歩いていると、突然視界が拓けて、美しい街並みが・・・・・。

キレ〜〜(*゚∀゚)

わかりにくいと思いますが、下の方が大豪邸。
しかし撮ってないだけで本当の大豪邸はもっとあった。
まったくヨーロッパの金持ちってヤツは・・・どんだけ。

うわ〜絵に描いたような地中海の別荘地、夏はどれだけ人が集まってくるんだろうか?
しかもここ、山中山中、と馬鹿にしていたが(イエイエ、決してバカには)
よく見ると凄い家ばかり、と言うか別荘、しかもみんな大金持ちの!!!
と言うぐらいの大豪邸が並んでいる。

私が泊まっている所は、普通のマダムが住んでいる家の敷地にある、小さな山小屋のようなロッジのような建物だけど、こんな豪邸ばっかりが普通に並ぶトコなのね・・・と認識を改めた。
何しろお城のような家もあり、門から家まで何キロ?みたいな豪邸もある。

豪邸の写真は撮り忘れたので、アパートメントにあった柿の木。
これだけ見ると日本?と思うがフランスで柿はわりと普通に売ってる。
チュニジアでは見当たりませんが

泊まらなきゃこんなトコ一生縁なんかないわな。

そんな事を思いながらテクテクテクテク下っていくのだが・・・・まだ街に着かない。そうこうしてたらどんどん日が暮れてきた、時間は5時過ぎ、宿を出て1時間強経過。だが目的としてる港の付近には、まだまだ着きそうもない雰囲気。

やばい!こんな地の利のないトコで日が暮れたら、遭難するやん!!焦る私。焦りつつ早足で歩いていると、30分後くらいに小さな街並みが見えてきた。
近くまで行くとレストランやパン屋、小さなスーパーもある。
良かった〜、もう今日はここで終了、ここで買い出しして帰ろ。
普通に歩けば多分1時間強くらいで済むであろう道のりを、写真を撮りつつキャッキャしてたので、やたら時間がかかり疲れてしまった。

スーパーに入ると、チーズ、パン、ワイン・・・等々、小さな店なのにフランスに来たのを実感するような品揃え。
しかもワインはズラリ棚一面半くらいある、さすが!

お菓子も美味しそうだしやっぱチュニジアとは違うわ・・・おまけに多分スペインより安い。などと意外な安さに驚きつつ、チュニジアの自宅では寒すぎて飲酒出来ない為、今日は久々に宅飲み‼とウキウキしつつワインやバゲット、チーズ、豚肉のパテ(お約束)を買い込んで、宿に帰りましたとさ。
その後、日本のお笑い動画を見てヘラヘラしながらワインを飲みましたとさ。
そうして初日なんとか終了、めでたしめでたし。


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