【散文詩】昆虫の系統樹

踏み潰され砕けた指先に
黄色の羽根がひと休み
激痛が脳天まで疾走る
蝶の重みが命を思う

殿様飛蝗の脚力は
カマキリの首を刎ねると
誤認したことをお詫びします
蟷螂拳は頭から喰い尽くす

無駄の欠片もなく
春夏秋冬に確実な適応力を発揮する
未知との昆虫

単なる群れと呼ぶには
働き蟻たちは健気に過ぎて
感情移入にもほどがある