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愛しき「不吉な塊」

愛しき「不吉な塊」

久しぶりに梶井基次郎氏の『檸檬』を読んだ。

最後にこれを読んだのは、確か、3〜4年前、大学生活を始めたばかりの頃だったと思う。

「不吉な塊」という言葉が、
当時の自分の抱えていたあらゆる心情を包含して表しているように思われて、
興奮と言おうか、悦びと言おうか、
そういう何とも言えない酸味を味わったのを覚えている。

さて、暫くの時を経て、再読するに感じたのは、
あの時自らの裡に抱えていた「不吉

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