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地域が違うと数字が変わる。これから暮らす地域を見よう。

ちゃくちゃ春めいてきましたね。

いつも間にか桜も満開。

お花見する間もなく散ってしまいそうです。

このまま、桜前線も北上し、札幌での開花予想は4月末。

まだまだ先です。

さて、今日は桜前線同様に、断熱もその地域によって違いがあることを説明しようかなと。

というのも、以前見学会にお越しになった方で、とても断熱について調べていらっしゃったのですが、Ua値を関西方面での数値と勘違いされていた事がありました。

という事で、基本中の基本、断熱区分などについてご案内。


住宅の断熱に必要な量を決めるための要素は何でしょうか?

それは、外気温です。

冬、どのくらい寒くなるのか?はたまた、夏はどのくらい暑くなるのか。

その結果、室温にどの程度影響を及ぼすのか?というのが基準です。

そこから国土交通省が「省エネ基準地域区分」という表を作っています。

全国を、1地域~8地域まで区分して、1地域は北海道を中心に寒さの厳しい場所。

8地域は沖縄、つまり温暖地ですね。

これが、市町村ごとに決められていて、同一県内でも区分が変わることがあります。

(マグ・イベゾール株式会社ホームページより)


例えば、栃木県を例に挙げると、

宇都宮市、栃木市、鹿沼市、小山市、真岡市、大田原市、矢板市、さくら市、那須烏山市、下野市、上三川町、益子町、茂木町、市貝町、芳賀町、壬生町、野木町、高根沢町、那珂川町。

ここまでは5地域、栃木県のメイン区分ですね。

足利市、佐野市は6地域、これは東京23区や大阪市と同じです。

日光市でも、旧栗山村は2地域、ここまでくると札幌と同等。

同じ県でも、一部かなり差があります。


では、地域差があると、どの程度断熱の数値に差が出るのでしょうか?

一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会のホームページからお借りして、HEAT20の性能区分について表を見てみましょう。


(一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会のホームページより)


横軸が地域区分、縦軸が各基準におけるUa値となります。

見てわかる通り、1・2地域の基準値は厳しく、南に行くほど値は緩くなっていきます。

例え同じHEAT20 G2と言っても、札幌では0.28、宇都宮では0.34、東京23区や大阪府では0.46と、Ua値には差があります。

つまり、建てる地域によって、同じG2でも断熱コストは変わるという事です。

逆に言えば、それだけ重要度が高いとも言えるかもしれません。

もちろん、家づくりは「数値じゃない!」という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、数値ありきで、そこに加えて施工や衣装を考えることも重要だと考えます。


電力についても、やはり同様で関東圏であれば東京電力、東北であれば東北電力、関西圏であれば関西電力、中部電力、九州電力、四国電力、北海道電力、北陸電力、沖縄電力、ご存じの通り、各電力会社によって料金形態も全然違う訳です。


で、何が言いたいかというと、近年、インターネットで地域に関係なく家づくりの情報が手に入るようになりました。

逆に言うと、youtubeにしても、SNSにしても、地域という枠組みを省いて簡略化された情報も多々あります。

ちゃんとした発信者さんは、情報の取違いを防ぐために、見越した発信をしていますが、中には情報を単純化するために多くの要素を排して安易に断定してしまうようなものも少なくありません。

Twitterなんかは、140字内に収めるとなれば、言葉の意味を簡略化しすぎるきらいがあるため、意図せず治安が悪くなりやすい場所ですよね。

一生を考えた家づくり、ついつい熱くなってしまう事もあると思いますが、これから暮らす地域をしっかり見ましょう。

有名な設計事務所さんや工務店さん、家づくり情報の発信者さんが全国にいますが、あなたが暮らす地域で、あなたが求める家づくりができる建築会社は意外と少ないかもしれません。

是非、地域の建築会社さんから見えている、その地域の話を聞いてみると、知らなかった発見があるかもしれません。

家づくりは、焦らずじっくり進めましょうね。


hiroyuki

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