ものづくりが人をつなぐ
今週末は「Global Goals Jam Yamaguchi / Shunan 2023」に参加中です。
国際的な市民参加型ワークショップGGJ
Global Goals Jam は、持続可能な開発目標、 SDGs(Sustainable Development Goals)の達成に向け、グローバルな視点で持続可能性を考え、ローカルな課題解決のアイデアを生み出す国際的な市民参加型ワークショップです。
2日間のグループワークを通じて、SDGs へと繋がるサービス・プロダクト・アイデアをつくっていきます。
山口エリアでは「福祉の現場と地域をつなぐこれからのものづくりの場のあり方とは?」というテーマで、多様な地域住民が交わることができるものづくりの場のデザインにチャレンジします。
今回は特に福祉の現場とデジタルものづくり(デジタルファブリケーション) の接点について、その場の在り方を模索します。
ワークショップでは、実際にデジタルファブリケーションを導入しているいくつかの福祉施設における実践事例や課題の紹介、また周南市にある福祉施設へのフィールド調査、デジタルファブリケーションの専門家による技術の紹介を通して、課題の理解から解決の提案をデザインします。
ファブラボやまぐちと福祉の現場とのかかわり
わたしたちは、デジタルファブリケーション施設「ファブラボやまぐち」の運営者として、皆さんと一緒にアイデア出しから参加しています。
ファブラボやまぐちと福祉との関係は、山口大学 国際総合科学部の先生にお声掛けいただき、インクルーシブデザインの授業をサポートしたことからはじまりました。
その後、福祉の現場にデジタルファブリケーションを取り入れ、実にユニークな仕事を生み出している一般財団法人たんぽぽの家が企画した「IoTとFabと福祉」という実験的なプロジェクトに参加しました。
山口エリアでは、周南あけぼの園 × 山口大学 国際総合科学部 × ファブラボやまぐちという座組で、大学からインターン生を受け入れ専門人材の育成などに取り組みました。
2020年2月には、3年間のプロジェクトの集大成として、日本科学未来館で「IoT, Fab, and Community Well-being」という国際シンポジウムを開催、全国の実践者が集い成果を共有し合いました。
コロナ直前の良き思い出です。
福祉施設でのデジタルファブリケーション活用
GGJ1日目はインプットとフィールドワーク中心です。全国の福祉施設のデジタルファブリケーション活用状況と、現状の課題を知ることができました。
前述のたんぽぽの家が運営している、奈良のGood Job !センター香芝は、デジタルファブリケーションを活用する福祉施設の代表的な存在です。
中川政七商店から依頼を受けた張り子の人形などを、木型の代わりに3Dプリンタで出力した樹脂の型を使用して制作しています。
大阪の一般社団法人 ライフハーモニーは、利用者がレーザーカッターを使用して、販売する商品や施設で使用する道具などを作成しています。
組み立てパズルや、組みひもを制作するための自助具も作られています。
愛知の特定非営利活動法人「motif」が運営するFLAMEには、タジマ工業のコンパクト刺繍ミシン「彩(sai)」があり、同社の元社員がワークショップを手伝ってくれているそうです。
レーザーカッターを活用したSee Sewというブランドも展開されています。レーザーでカットされたフェルトを、革の製法をヒントに、針と糸を使わず手で編み上げてかたちを作りあげています。
残念ながらスケジュールが合わず、動画での参加となった新潟のクローバーでは、3Dプリンタの型に着色しただるまを制作・販売されています。
伝統的な柄ばかりではなく、アフリカ風のだるまなどもあり、自由な配色が施されていて楽しいです。
午後は周南あけぼの園を訪問し、実際の現場を見学することでより具体的な課題について知ることができました。
施設内にある工房「アトリエnonは」には、利用者が制作した絵画や刺繍、造形が展示されており、気に入った作品は購入することもできます。
ものづくりを通した新しいつながりを満喫
ファブラボを運営するようになって、福祉や教育などこれまでになかったフィールドとのつながりが生まれ、新しい分野に関わる機会に恵まれました。
異なる属性の人たちとの交流は、とても良い刺激になります。顔見知りだけのコミュニティは居心地がよいものですが、たまにはそこから飛び出して、多様な人たちと関わってみることも大切です。
2日目の今日は、1日目に考えた How might we を実現するために、大学生と福祉施設のスタッフさんとともに、あたらしいものづくりの場のデザインにチャレンジします。
では。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?