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ポジティブな未来を想像しよう

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P.F.ドラッカーの「すでに起こった未来」という言葉に準えながら、テクノロジーの進化について綴っています。主に生成AIで遊ぶマガジンです。
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記事一覧

目標を達成する才能

トレーナーとして所属しているデジタルハリウッドSTUDIO山口で、就転職を考えている受講生向けに企画された、「キャリアステップ応援会」というトークイベントのファシリテーターを担当しました。 東京・福岡・山口の3拠点を繋いで、未経験からクリエイティブ業界への転職を目指す方々に、現状と展望をお伝えしました。 今回は、イベント内で印象に残った話題を、差し障りのない範囲で共有していきます。 コロナ明けの業界動向コロナ禍が落ち着いて、クリエイティブ業界に変化が起きています。 緊

ひらめきをカタチに

夏が近づいています。 今年の夏休みは「やまぐち高校生ハッカソン2024」というイベントでファシリテーターを担当させていただきます。 ハッカソンとは、ハック(hack)+マラソン(marathon)の混合語です。 与えられたテーマに対して、ソフトウェアやサービスを短期間で開発し、アイデアの斬新さや技術の優秀さなどを競い合うイベントです。 今回のハッカソンでは、イベント会場でのアイデア創出から試作品(プロトタイプ)制作 までをサポートするだけでなく、「やまぐち高校生ICT

投資なくして利益なし

昨年にも増して、生成AIセミナーのご依頼が増えています。 7~8月は週1回ペースで講師を担当させていただくことになっており、ありがたい限りです。「過度な期待」のピークを越えても、勢いは衰えません。 それもそのはず、総務省の発表によると生成AIを利用している日本人は、わずか9.1%に留まっているそうです。 アカウント登録せずとも無料で利用できるにも関わらず、ChatGPTやCopilotに触れたことがない方が90%以上いるということになります。 初心者向けセミナーのニー

クリエイターは目指すな

バイブルのように読み返している一冊の雑誌があります。 『サイゾー』2010年7月号です。 この号には、かつてハイパーメディアクリエイターと呼ばれていた高城剛と、『WIRED』誌の編集長クリス・アンダーソンによる著書『フリー』の監修者である小林弘人の対談が掲載されています。 この14年前の対談で語られている内容が、生成AIが台頭する昨今いよいよ現実味を帯びてきたと思い、また改めて読み直しています。 デジタルを売るという行為がかっこ悪くなる古い本は、ときに預言書のような役

そして誰もいなくなった

昨日は山口県中小企業診断協会の「令和6年度第1回経営診断フォーラム」にお招きいただき、セミナーを担当させていただきました。 「診断士の皆さまに知っていただきたいICT活用最前線」というテーマで、主にデジタライゼーションに焦点を絞って、デジタル技術を使った業務効率化に繋がる3つのトレンドを紹介しました。 ノーコード 自動化(オートメーション) マルチモーダルAI 今回はそのセミナーでお話ししたことを振り返ってみます。 ノーコード~プログラミング不要の開発ノーコード

AIは感覚を手に入れた

OpenAIが「GPT-4o」を発表しました。 このモデルでは、音声、視覚、テキストのリアルタイム処理ができるようになり、従来のAIモデルを大きく上回る性能を誇ります。 生成AIは開発競争が過熱しており、各社が新モデルを続々と発表していますが、ここへ来て本命のChatGPTが大きく一歩抜きん出た印象です。 リアルタイムに音声で対話ができるGPT-4o最大の特徴は、テキストだけでなく音声や視覚なども単一モデルで処理することができるようになった点です。 百聞は一見に如かず

振り子は必ず揺り戻す

山口アーツ&クラフツ2024に行ってきました。 山口アーツ&クラフツは、山口在住のクラフトアーティストを中心に2006年から継続的に開催されている老舗イベントです。毎年この時期になると150組以上のクラフト、アート作家が全国から山口市へ集まります。 量販店はお目にかかれない、独特の個性を持ったモノたちと出会える機会として、毎年とても楽しみにしています。 アーツ&クラフツのルーツであるデザイン運動アーツ&クラフツのルーツとなっているアーツ・アンド・クラフツ運動(Arts

わかりあえなさを受け入れる

先週あたりから、生成AIが物理領域に進出しつつあるという記事が、立て続けにリリースされるようになりました。 「まさかの」と見出しが付けられていますが、これは既定路線でしょう。 ソフトウェアの分野で生成AIが発展すれば、プログラムで動作するハードウェアに生成AIが組み込まれるようになるのは「すでに起こった未来」です。 ロボット側から見る生成AI活用のメリットロボットの制御にはプログラムが利用されています。 ロボットに行動を教えるためのロボットティーチングは、以下の4パタ

在りて無ければ

前回の投稿で、Midjourneyの絵柄が一致しない問題は改善されつつあるが、まだあまりうまく機能していないと書きました。 なんとその2日後に、同一人物が生成できる新機能「Character Reference」がリリースされました。ありがとう、君を待ってた! 以下概要です。 早速試してみましょう。 Character Referenceを試してみたまずは、前回の投稿に掲載した「扱いがむずかしい後輩」のイメージを使ってテストしてみます。 -‐cw の効果を確認するた

未来のヒントは過去にある

立春を過ぎて、ほのかに春の気配が感じられ始めました。 中国の戦国時代(紀元前4世紀)に発明された二十四節気(にじゅうしせっき)では、季節を春夏秋冬で4等分に仕分けをし、1年を12の「節気」と12の「中気」に分類します。 立春の前日は「季節を分ける」という意味で節分と呼ばれ、季節の変わり目に生じる邪気(鬼)を追い払うための行事が恒例となっています。 世界は180年周期で繰り返すという思想多くの人は年始に1年の計画を立てることでしょう。企業は3~10年スパンで中長期経営計画

クリエイティブの無人化

大晦日です。 進化したMidjourney v6は年越しそばも生成できるようになりました。 v5.2と比較すると、目覚ましい進歩です。 2023年元旦の投稿で、誰もがデジタルクリエイターになれる時代が到来したと書きました。今年最後の投稿となる今回は、この一年を通してクリエイティブ界隈がどれだけ変化したのかを書いてみます。 誰もが無料でクリエイターになれるまずは、無料で使えるグラフィックデザインツールCanvaの台頭について。 2019年から2023年までのCanva

自分のなかの多様性

Midjourney v6モデルのアルファ版が公開されました。 v6はどのような点が進化したのでしょうか? より長いプロンプトを正確にフォロー 一貫性とモデルの知識の向上 画像プロンプトとリミックスモードの改善 軽度のテキスト描画能力(テキストを「引用符」で記述) アップスケーラー(解像度が2倍になる)が改良され「繊細(Subtle)」モードと「クリエイティブ(Sreative)」モードの2種類が追加 分かりやすく大きなアップデートは、テキストが描画できるように

作業は自動化できる

「Content Marketing Day 2023」開催中です! すっかり告知が遅くなり、会期は今日の23:59までですがまだ間に合います! 「学び、育ち、つながり、新しい冒険をAIと。~AI時代のコンテンツマーケティング~」と題されているとおり、ライブ配信を含めて全セッションのうち82%でAIに関するテーマが掲げられていて、マーケティング業界にも生成AIが大きなインパクトを与えていることが分かります。 マーケティング業界での生成AI活用事例マーケティング業界のなか

永遠には続かない

良いことも、悪いことも、それが永遠に続くことはありません。 ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。変わらないように見えても変化しないものなど何ひとつなく、すべては常に変化していて、やがて滅んでいく。無常という仏教の根本思想です。 ですが、人はつい現在と同じ状況がこれから先もずっと続くと考えてしまいがちです。そんなことがあるはずはないと分かっていながら、現在の延長で将来を考えている人は多いのではないでしょうか。 人間には変化を嫌う性質があるわたしたち人間の心