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投資なくして利益なし

昨年にも増して、生成AIセミナーのご依頼が増えています。

7~8月は週1回ペースで講師を担当させていただくことになっており、ありがたい限りです。「過度な期待」のピークを越えても、勢いは衰えません。

それもそのはず、総務省の発表によると生成AIを利用している日本人は、わずか9.1%に留まっているそうです。

アカウント登録せずとも無料で利用できるにも関わらず、ChatGPTやCopilotに触れたことがない方が90%以上いるということになります。

初心者向けセミナーのニーズはしばらく続きそうです。

機会は等しく与えられていた

2022年11月30日にChatGPTが発表された時点では、誰もが同じスタートラインに立っていました。

過去の投稿を読み返すと、私が生成AIを触り始めたのは2023年2月です。

それが今では、週に1回のペースで講師を担当させていただくまでになりました。この間わずか1年半です。

「私ってすごいでしょ?」と言いたいわけではありません。1年半もあれば、教える側と教わる側ぐらいの差がつくということです。

上記の記事で、下記のように書いています。

この分野はまだまだ先行者利益が狙えるのではないでしょうか。

講師の仕事などは、先行者利益の最たるものです。

機会は同じように与えられていたにも関わらず、なぜこのような差が生じるのでしょうか?

新しい技術に飛びつく人は意外と少ない

これまでにない新しい技術が登場したときに、いち早く適応して活用する人もいれば、なかなか順応せずに様子見を続ける人もいます。

相対的に技術者のほうが、新しい技術に興味関心を持ちやすいという傾向はあるでしょう。実際に、いま嬉々として生成AIの話をしている人の多くはエンジニアです。

イノベーター理論によると、新しい技術に積極的に反応する人はアーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)層にあたります。

ロジャースによるイノベーションの普及プロセス(Wikipedia)

アーリーアダプター層が新しいアイデアや技術に積極的に適応するのに対して、アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)層は安定や安心を重視する傾向があり、不安が解消しない限りは順応しません。

アーリーマジョリティ層にとって、セミナーは安心を得るための手段です。実績や成功事例を確認し、実際のデモンストレーションを目にすることができます。セミナーは新しい技術に対する不安を軽減し、導入の決定を下す助けとなります。

生成AIに関しては、アーリーアダプター層はガンガン使って最新機能を試している、アーリーマジョリティ層はその知見をセミナーなどで学習しようとしている、といった現状です。

学習コストをかけることの心理的ハードル

新しい技術を習得する際の時間、労力、お金などを学習コストと呼びます。

サブスクリプションの費用や、使い方を調べたり試行錯誤したりする時間などがこれに当たります。

ちなみに、生成AIの有料プランは月額8~30ドルぐらいです。

参考までに、私は下記に課金しています。

ChatGPT Teams(2アカウント) $50
Midjourney Standard $24
Claude Pro $20
Suno Pro  $8

多くの課金しない人たちは、どのような恩恵が得られるも分からない未知のサービスに、たとえ少額でもお金を使いたくないと考えるでしょう。

本当はその逆で、どのような恩恵が得られるか誰も知らないからこそ、率先して試してみる価値があるのです。

学習コストは投資であり、リターンの保証はありません

学習の成果が、いつどのような形で返ってくるかを予測するのは困難です。ときには学んだ知識が役に立たず、コストを損失するリスクすらあります。

リターンが不確実であるほど、そのリスクが大きく感じられるため、多くの人たちはコストをかけて学ぶことをためらいます。

だからこそ、リスクを取って学ぶ人との差は大きく開くのです。

少額から自己投資の経験値を積もう

「リスクなくしてリターンなし」とは投資の原則ですが、ここで言うリスクは将来の不確実性のことを差します。

リスクを冒して不確実なものに挑戦したことの見返りとして、リターンを手にする可能性があるわけです。

変化の激しい現代社会においては、特定分野の知識やスキルよりも、不確実性と正面から向き合い、新しい状況に適応する能力のほうが重要です。

学習に自己投資する本当の価値は、学びを習慣化して自分をアップデートし続けることにあるのです。

月にわずか数ドル課金するだけで、国内なら上位数%の有識者になれるわけですから、生成AIへの課金はお手軽な自己投資ではないでしょうか。

まずは少額から、自分への投資を経験してみましょう。

では。

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