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閉経が脳に及ぼす影響(T)

男性脳と女性脳

いつまでたってもその違いがまことしやかに語られ、マルチタスクに向いているだの、集中力が高いだの、いわれています。中には職業の適性や性別による取扱説明書を述べる人もいます。

わたしは全く信じていません。

と主張してから本題にはいります。

ここからは、アメリカの神経科学と統合栄養学の専門家リサ・モスコーニさんはTEDWomenの話を紹介します。

脳の構造に性差はない

女性はピンク、男性はブルーが好きなどというようなことは人間が勝手に作り上げて通説に過ぎず、脳とは全く関係がありません。
ところが女性の脳が男性と違う、とも言えます。たとえば偏頭痛は女性に多く、アルツハイマーの罹患者は、男性1:2女性の差があります。
要するに、脳の構造そのものには男女差がないものの、男女差が生じているということです。これにはホルモンが関係しています。

脳が年を取る

脳の年の取り方に男女差があることが研究でわかりました。男性ホルモンのテストステロンは老齢期から緩やかに減少し、症状もあまり表出しません。
しかし、女性ホルモンのエストロゲンは更年期(老齢期のひとつ前の時期)に急激に減少し、さまざまな症状を引き起こします。汗、不眠、記憶力低下、不安などの神経症状はこのエストロゲンと関係します。脳と卵巣が連携しているからです。 エストロゲンが多いと脳のエネルギーも高くなり、エストロゲンが減ると老化が加速し、アルツハイマー病の特徴となるプラークの形成にも影響することがあります。

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脳の視床下部というところで体温調整をしますが、エストロゲンの低下によってうまく調整できなくなり、ホットフラッシュ(急に汗が出るなどの症状)の原因となります。睡眠と覚醒の司令を出す脳幹も影響を受け、睡眠障害の原因となります。扁桃体(不安感情に関わる)とその近くにある海馬( 記憶に関わる)もエストロゲン現象でうつ症状や物忘れの原因となります。

更年期女性の認知能力は下がらない!

更年期(40代後半~50代あたり)の女性は、エストロゲンの分泌量低下により、脳のエネルギー量も低下し、正しい指示を出せなくなります。更年期の女性は更年期前に比べてエネルギーが30%も低下しているという研究結果もあります。
しかし、大事なことは、更年期女性の認知能力が同世代の男性に比べて劣っているわけではないことです。更年期女性は疲労してはいても、頭の切れ具合に性差はないのです。

どうすれば?

方法のひとつとして、ホルモン治療があります。これは更年期以降に女性ホルモンを調整する方法で、更年期障害を緩和します。残念ながら認知症の予防としてはまだ推奨されていません。
すぐにできる方法としては、食事、運動、睡眠、ストレスを適切にすることです。

地中海の食事法

特に地中海の食事法が女性の健康を促進するという研究結果があります。認知能力の低下、うつ、心臓病、脳梗塞 ガンのリスクが非常に低いだけでなく ホットフラッシュの回数も少なめです。フィトエストロゲンと呼ばれる植物エストロゲンを含む食物の摂取量が多く、体内では弱いエストロゲンのように作用するからです。特に安全なフィトエストロゲンは、亜麻、胡麻、干しアンズ、マメ科の植物、果物、ダークチョコレートです。

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しらんけど

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