さっそく明日から自慢できる! 『世界の砂糖税率』について
世界がどんどん肥満になっている。
太りすぎ~肥満のヒトは世界中で爆増しています。
OECDの最新データによると、日本人の25.9%が太りすぎ or 肥満です。25%というと4人に1人の計算ですから、国民総肥満時代はもう来ているといっても過言ではありません。
太りすぎ:BMIが25~30のヒト
肥満 :BMIが30以上のヒト
しかし、日本以外の国はさらに肥満が進んでいます。
イギリスでは64.3%
アメリカでは71%
チリでは74.2%(世界一)
もう、やせ型のヒトの方が圧倒的に少ない時代になっているのです。
(BMIは筋肉が多い人も大きくなる数値なので、マッチョでも25~30のヒトはいると思いますが、確実に肥満も増えています。)
砂糖入りのジュースやパン、小麦製品、ピザなどの高カロリー食品が手軽に手に入るようになった今、肥満は”超”身近な危機と言えます。
見た目が悪いだけではなく、肥満は糖尿病、高血圧、脳卒中、心筋梗塞などなど、さまざまな生活習慣病の原因となってしまうのです。
したがって、これらはすべて、医療費を高くしてしまう為政府の頭を悩ませる超重要な問題です。当然、SGDsにも含まれています。
そこで、各国は”砂糖”に税金をかけることで、砂糖の消費を減らそうという政策を始めることになりました。
”砂糖税”はみんなを健康にする方法なのか!?
砂糖をはじめとする高カロリー食品に、税金をかけることは多くの国民の反発を買うことは間違いないことから、特にアメリカなどは世界3位の超肥満大国なのにも関わらず、2017年まで導入が遅れてしまいました。
その間、さまざまな国で先んじて行われた砂糖税政策についての調査が大量に行われました。2015年には、それらの調査をまとめたデータが公表されました。
そのデータによると
・ジュース類の価格を10%上げると、消費量を8~10%減らせる
・20%の税金により、年間3500人の糖尿病が予防できる。
・20%の税金により、ジュースの消費量が23.5%減少する。
などなど、砂糖税をつけることで、人々の摂取カロリーを減らし、糖尿病などの生活習慣病のリスクを抑えることが実証されました。
このデータに基づき、アメリカのカルフォルニア集やペンシルベニア州、スペイン、ドミニカ共和国など、各国で砂糖税を含む趣向品政策の勢いが増していきます。
世界の砂糖税率
砂糖税”率”は各国さまざまです。まずは見てもらった方が早いと思うので、一覧表を載せておきます。
砂糖税率の決め方には、大きく3つの決め方があります。
1. 人工甘味料を含むかどうか?
→ 人工甘味料は体に悪いというデータを重視した国で採用。
2. フルーツジュースと牛乳を除くかどうか?
→ 2つは健康に悪影響がないというデータを重視した国で採用
3. ソフトドリンク以外の食べ物も規制するかどうか?
→ 明らかに体重に影響を与えるチョコやアイスを含むかどうか
この3つのポイントが各国によって判断が分かれているところです。
健康を重視するという観点からは、
砂糖も人工甘味料も関係なく甘いものはすべて課税し、同様にアイスやチョコなどの趣向品に関しても課税する。フルーツジュースの濃縮還元除く100%のものと、牛乳に関しては非課税で良い。
コレが最適解だとは思うのですが、政策は業界の組織票なども気にしながら作られるものなので、食品業界との兼ね合いも考えると実際は難しいのでしょう。
さらに、課税はすべて〇%というものもあれば、1ℓあたりいくらと決まっているもの。さらに、砂糖の量に合わせて税率を決めるものもあります。
税率の設定って難しいものだとは思うのですが、”砂糖”は広く使われる食材であるが故に、規制も”超フクザツ”となっています。
マメ知識:タックスヘイブンなのに...
企業や著名人が税金を逃れるためにタックスヘイブンにお金を移すことが一時期話題になりました。タックスヘイブンでは税率が極端に低く設定されており、資産を移しても税金として徴収されることがないことで有名です。
しかし、先ほどの砂糖税リストには”バルバドス”という名前が。
バルバトスはEUによってタックスヘイブンとして名指しで指定された国です。
カリブ海のきれいな南国ビーチが売りのバルバドスですが、もともとイギリスの植民地時代にサトウキビで支えられてきた歴史を持つ砂糖大国でもあるのです。
それ故にバルバドスは、法人税は低くタックスヘイブンであるのにもかかわらず、砂糖税はしっかり10%とられるという、不思議な税制がまかり通っている国なのです!
砂糖タックスヘイブンではなかった・・・というお話でした(笑)
私たちも砂糖税がとられる時代に・・・?
日本でも、2035年に健康先進国を目指そう!ということで、保険医療2035というものが設定されています。そのなかで、
その中で、
”たばこ、アルコール、砂糖などの健康リスクに対する課税”
についても言及されています。
したがって近い将来、日本でも砂糖税が導入される可能性はかなり高いといえるでしょう。注目しておくべき情報ですよ!
炭酸飲料やソフトドリンクを飲んでいいの・・・?
ダイエット系の記事をいくつも書いてきましたが、今回の砂糖税の話と最も関係の深い、ソフトドリンクと肥満のカンケイについて深くしることができるnoteを集めてみました!
ーーーーー おしまい -----
このnoteは、世界中の論文を読み漁ることが趣味の私が、普段の生活や健康、美容などについて、根拠に基づいた意思決定をするための知識を提供していくnoteです。
それ、もう根拠あるよ?
ということで無駄に悩む必要はありません。
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引用
OECD
https://data.oecd.org/healthrisk/overweight-or-obese-population.htm
Niebylski, Mark L., et al. "Healthy food subsidies and unhealthy food taxation: A systematic review of the evidence." Nutrition 31.6 (2015): 787-795.
Smith, Emma, et al. "Should we tax unhealthy food and drink?." Proceedings of the Nutrition Society 77.3 (2018): 314-320.
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