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「東京を離れて地方で新規事業を立ち上げる③」

新規事業計画を着想してから約3か月、なんとか事業計画書が完成し全ての必要書類を準備することが出来ました。2021年4月30日締め切り(実際はアクセス集中により1週間程度延期された)の第1回事業再構築補助金の申請に、色んな人の協力を得て間に合うことが出来ました。感謝しかないと思っています。これから数年で複数回公募がある予定ですが、初回に絶対間に合わせたいと思っていました。というのも、事前情報で補助金関係は初回公募が一番採択率が良く、その後徐々に落ちていくというデータを見たからです。

結果発表はそれから1か月半後の6月中旬。補助金申請のエキスパートである専門のコンサルタントなどに依頼せず自力で事業計画を練り上げましたが、根拠はないのですが何故か自信がありました。我ながらよく書けたなと。図や写真も配置し、審査員が飽きずにしかも説得力のあるストーリーとして構成して書き上げたつもりでした。しかし、結果は不採択でした。数カ月かかって築き上げたものが一瞬にして崩れ去ったような感覚でした。幸いにも不採択の理由を電話で聞くことが出来るというルールが設定されていて、2回目以降の再チャレンジに活かすことが出来るという粋な計らいがなされていました。早々電話して理由を教えてもらいました。内容は以下になります。

・事業実施体制の具体性が不十分
・既存事業の弱体化(中期的事業継続が困難である) 
・資金調達計画の具体性が不十分
・競合、市場ニーズの客観性が低い
・顧客誘致計画の具体性が不十分
・市場ニーズ検証の客観性が低い
・特定の競合分析に留まっており、優位性について客観性が低い
・事業化、収益化までの体制プロセスが不十分
・建物改修費用が少々過大ではあるが、金融機関からの融資に触れていない
・新規事業が市場に受け入れられるかの分析まで至っていない
・取得する設備や建物などは妥当で問題はないが人員体制と資金調達が不明
・投資収益率の観点から費用対効果が高いとは言えない
・既存と新規で提供する主力商品の相違について具体性が不十分
・既存事業を逸脱した事業計画とは言えず、チャレンジではない
・コロナによる社会変化を伴うニーズへの対応として具体性が不十分
・デジタル技術の活用への具体性が不十分
・コンセプトはユニークだが既存事業とのシナジー効果が読み取れない
・選択と集中を戦略的に組み合わせた取り組みかどうかは判断できない
・地域イノベーション貢献の記述がなく、地域経済の発展にどう貢献できる         
 か考えていきたい  

電話でオペレーターが一方的に審査員の評価メモを読み上げていくスタイルでした。質問は原則禁止。聞き漏らさないよう必死にノートに書き写していくのですが、次から次へととめどなく発せられる不採択理由に対して、ボロ雑巾のような惨めで散々な結果となりました。電話を切って不採択理由のリストを改めて眺めてみると、何点か気になることがありました。審査員は複数名でチェックし、内容に温度差があること。資金調達の話は記載してあるのに、無視されてること。地域貢献についても記載しているが、こちらも無視されている事。その他もろもろに「客観性」や「具体性」というキーワードが多いこと。これらの要素から自分なりに再解釈したうえで捻り出した改善点は以下になりました。

・審査員が複数名いて計画書に対する評価にバラつきがあり運的要素もある
・無視された箇所は印象が薄く記憶に残らない書き方であった可能性がある
・客観性や具体性などのキーワードが散見されるということは、まだまだ
 理想論や抽象的な記述があったのかもしれない

ということで、2週間後の2021年7月2日事業再構築補助金第2回公募締切日までに事業計画書を改修する事にしました。そして2回目から補助額1500万円以下なら事業計画書は10ページで良いという新しいルールに改定されました。ということは1500万円が審査のプロセスにおける一つの境界線(審査のプロセスをより効率的に行うために設けられた内部ルール改定?)であると仮定し、急遽予算を3000万円から1700万円に変更し、補助額を1000万円ちょっとになるよう修正しました。計画書の内容はほぼそのままで、抽象的な部分を徹底的に排除し、あくまでも客観性と具体性を際立たせるよう修正しました。正直デッドラインまで2週間しかありませんので、1から事業計画書を見直す余裕などありません。余計と思われる情報を極限まで削り、フォントも小さくしてなんとか10ページに収めることができました。さあ、2回目のチャレンジです。結果は2か月後の9月2日、運を天に任せて申請ボタンを押しました。


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