星なんかどうせ光る


眠たいときにだけほしは現れる、目をとじてやわらかいおなかのほうをすうっとおもっては、異星人たちがざわざわと暮らす街をのぞき見た。
ばけものどもめ、ひとのからだで楽しそうなことね。
彼らは各々のことばでいっせいに歌をうたいはじめるけれど、それが賛美歌などでないことだけはよくわかる。広場の真ん中にあるおおきな光る球体を、だれもありがたがっていない。
わたしたちが、太陽を風景にしちゃったみたいに、月の次元を変えちゃったみたいに。


もしかみさまであるなら、白い腕の内側に生える銀色のうろこをひとりひとつ、14の歳になったらえいと剥がしてぺたぺたと貼っているはずだもの。
ミラーボールにしてほしかった。してもらえないので、わたしはいつか使われなくなったミラーボールを買って、狭い部屋で抱えて眠るのだ。夏の日の夕暮れに、つまらない柄のカーペットにころがって、抱えて眠るのだ。たまごをあたためる鳥みたいでなく、どちらかといえば、母親のからだにしがみつく、どこかの動物みたいに。


わたしなどただの住処でしかないのだわ、好き勝手に宴をひらくために恒星をころされた、哀れな惑星でしかないのだわ。
おうおうと大袈裟に哀をなぞるとじょうずに眠りやすいことをわかってしまった身体のなか、いちばん小さな彼が空腹を訴える、一瞬だけを、朝が口を開けて待っている。

















生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。