おだやかなしろい朝のゆうれい

 

ねぇ、きみ、いきてるだけでアイシテルよって、言葉にはしないけどあたしずっとつないだ手から伝わっていかないかなって念じてる、のは、あたしのことも、理由も条件もなくこの生があたしだってことをあいしてほしいからで、はだかになるたび、見返りを求めないアイなんて嘘っぱちだよって呪いのように繰り返した。
眠りにつこうとする、きみは、それを、流暢な外国語みたいだと思っている。

 
真夜中に慟哭もできず快楽もないのならそんな身体ロボットにあげたほうがいい、あたしよりずうっと賢いロボットはこの身体の無価値を分かっているかもしれないけれど、きっと彼らの中にもひとりくらい、有限のうつくしさに魅せられた変わり者はいるでしょう。
その子にあげよう、その子なら、あたしよりみじめに泣いたりできる、あたしよりカワイイ、どうぶつになれる。

 
そうしたらあたし、朝のゆうれいになろう、きみの家のカーテンを開けて、朝日のまぶしさにゆがむ顔を見るだけの、朝だけのゆうれいになろう。






生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。