ラブノットイコールユー

 
ラブノットイコールミー、ラブノットイコールオール、
あなたのためのわたしじゃない、わたしのためのわたしがこの目で見る、わたしのためじゃない世界、の青さ、ニアリーイコールラブ。
 
 
軽薄でいてください、
清潔でいてください、
ふたつが矛盾しないことを理解してください、
軽薄でいたかった、
清潔でいたかった、こと、 
世界をレモンのように輪切りにしたときわたしが種のようにそこで丸まっていても、気にも留めずにあなたは骨ばった手で砂糖を振りかける。
 
 
レモンの明るさが落とす影が流行りのスニーカーで踏み散らかされていく、週にいちど絵画教室に通う近所の小学生が、教室のアサミ先生だけがこの世のすべてには影があることを知っているんだと言っていたのを思い出した。
アサミ先生、濡れた羽のような黒髪が天然パーマでくるくるのアサミ先生、背が高いけれどいつも背骨が丸まっているアサミ先生、
わたしがいちども会ったことがない、きっと死ぬまで言葉を交わすことがない、アサミ先生。
 
 
わたしはわたし以外の影を知らないから愛と数式で結びつくものを知らなくて愛ではないものばかり思いつく、
ラブノットイコールレモン、ラブノットイコールオール。







生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。