いつかぼくの胸のスーパーノヴァ

 
夜にならないとわからないことがあって、だから太陽は後悔したことがないらしい。
惑星を10個、てきとうに拾ってくる。陽当りのよい不自由ない部屋(彼らにはすこしせまい)を与えて、日がな一日うたって暮らすように言った、きみたちのとこの住人はうちの星でうまくやってるので気にしないでのんびりしてね、と、笑いかけるのもわすれなかった、なのに、彼らのうちはんぶんくらいは、夜になると机に向かうようになった。
今日うたったうたを反芻する、時折詩を書いてみる、代わり映えのない日々の日記はそのうち過去のあやまちを書きためる懺悔室になる、
ゆっくりと句読点はあばれだす、
わたしたちは観測者でなく消費者になっていく、
宇宙はいつも暗かったのではないですか、
わたしたちがすぐに宇宙のことばかり詩にするのは、
ふかいふかい海のことばかり詩にするのは、
じぶんのお腹のおくのおくや、
だれかの心臓のことばかり詩にするのは、
そこが暗く暗くあるからなのではなかったですか、
インタビュアーは部屋をノックする、
夜はそのうち明ける、
ひとしく明ける、
瓶の中に絶望がたまっていって、
とうとうあふれる。
 
 
 
いいですかみなさん、
星というのはこうしてできています、
先生は、むかし観測者を目指していました、
なれなかったのですけれど、えぇ、
やけに規則正しい生活をしていたもので。
 
 
先生は宿題に、星の名前をひとつ、考えてくるように言った。一年のうち、夜がいちばんみじかい日のことだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 





生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。