あくまのこ
心臓にまで染み込んでいる煙草の匂いが未だにどんな匂いか分からない、わたしは獣じゃない、かといって魔女でもない、
いつか魔女にあったとき、その甘い香りでそのことにきっと気づいてしまう、それがかなしい。
無花果をゆっくり食べる心臓に甘い匂いが染み込むように
指の先にまで流れている激情の炎のことを血液と言うのなら、わたしはやっぱり悪魔の子なのかもしれなかった、それならそのほうがずっとよかった。
あのひとは魂ごと差し出してもなにも叶えてくれない、ならせめて、わたしとおなじくらい惨めでいてほしい。
わたしの血、赤いってこと知りたくないカッターナイフはぴかぴかのまま
すきなひとの名前を書いた消しゴムが小さく小さくなったころ、隣のクラスの別のひとのことが気になっていた、
おとなになるだけじゃ逆上がりは勝手にできるようにならない、
愛も、生活も、ぜんぜん練習してない。
生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。